OETの基本情報とUSMLEの関連性について
挨拶:サロンメンバー全員への電話相談を始めました
ハイ!ナイストゥミーチュー!セザキングです。
久々のエントリーですが元気に生きております。ブログやSNSでの投稿が少なくなっていたため、外見上は僕の活動性が低下しているように見えるかもしれませんが、エネルギーを内向きに方向転換していました。つまり、サロンメンバーへの働きかけを強化しているということなのですが、やっぱりサロンに入ってもらった以上は、皆さんに結果を出してもらって満足してもらわないといけないので、可能であればメンバー全員と電話相談するようにしています。もちろん、皆さんお忙しいので全員というわけにはいきませんが、毎日3人くらいのペースでメンバーの相談に乗っているような状況です。今後は参加されたメンバー全員に入会時電話コンサルをしていこうかなと予定しています。
追記:ここ1か月くらいでメンバーから3人ほどSTEP1の合格報告がありました。これからも続々と出てくるでしょう。
OET受けてきまーす
さて、今回は「セザキング動きます」的なお話をしようと思っていますが、単刀直入に言えばOETを受験することにしました。「OETってなんやねん」という方もいると思うので、まずはOETの基本的な情報とUSMLEとの関係性について言及し、次の記事からOETの具体的な申し込み方法をお伝えしようと思っております。
・OETとは?
OETとは、Occupational English Testの略称で医療従事者向けの英語試験です。OETの実情に関しては今後詳しく言及していきますが、従来のOETは「医療従事者向け」というよりは「留学希望の看護師向け、一部オーストラリアやイギリス、ニュージーランドに臨床留学したい医者向け」の試験という認識でいいのではないかと思っています。そのため、OET関連の情報を掲載している多くのサイトが看護師向けの情報を発信しており、医者向けの情報はかなり少ないという印象です。ニーズが少なかったので当然でしょう。そこで、USMLE受験生向けのOETに関する情報をまとめてみることにしました。大阪で受験することが可能なのですが、これまでは受験者が1日2~3人ということもあるくらい認知度の低い試験でした。
さて、この「医療従事者」とは医師、看護師のみならず、薬剤師や理学療法士等の多くの医療者を含んでいます。しかし先述した通り、実際には日本における受験者の殆どは看護師(7割)であり、その残りの3割のマジョリティーが医者という構造になっているようです。
OETは単なる英語能力試験ではなく「資格試験」的な位置づけとなっております。例えば、医療従事者として留学するためにはOETでのハイスコア(基本的にはオールB以上)が求められており、留学実現のための大きな壁になっているのが実情です。特にオーストラリア留学を希望される方が受験されるイメージですが、近年ではイギリスでもOETを留学基準として認める流れとなっており、ホットな試験になってきているようです。
・OETの特徴
英語能力試験と言えば、TOEFLやIELTSが頭にぱっと浮かぶと思いますが、このOETはそれらの試験とは一線を画しております。OETの特徴は、「英語試験の出題内容が医療系に特化している」点であり、医療従事者が慣れ親しんだ医療用語やシチュエーション(面接試験では患者との問診を仮定したロールプレイが行われる)から出題されます。
しかし、TOEFLやIELTSと類似している点もあり、それらと同様に4つの英語の能力(Reading, Listening. Speaking, Writing)が評価されます。各技能の詳細や対策方法に関しては、僕自身が今後情報収集し、実際に受験して得た情報をシェアしていく予定です。
・USMLEとの関係性は?
さて、これこそがこのブログで特に取り扱うべきトピックでしょう。果たして、OETとUSMLEはどのように関係しているのか。最近、SNS上でOETのことが話題に上がるようになった背景を改めて説明したいと思います。
改めてUSMLEとは?
USMLEとはご存知のように「米国医師国家試験」であり、アメリカで医療行為を行うためにはこのUSMLEに合格する必要があります。USMLEは3つのSTEPと4つの試験(STEP1,STEP2CK,STEP2CS,STEP3)で構成されており、STEP1とSTEP2CK、STEP2CSに合格することで、ECMFG certificateなるものが発行されて、それによって初めてアメリカでレジデントとして働く権利を得ます。
このECFMGはアメリカ国外の医学部を卒業した人達(IMGと呼ぶ)が、アメリカで医療行為を行うことを認可する機関であり、臨床留学を目指す場合にはまずはこのECFMG certificateの取得を目指すことになります。
コロナウイルス感染拡大によるUSMLEへの影響
さて、2020年7月20日現在、コロナウイルスの感染拡大は留まるところを知らず、特にアメリカでは感染者数・死者数が世界最大になっております。その拡大を防ぐべく、USMLEは試験の実施に慎重になっており、特にSTEP2CSは受験者と模擬患者が密室で密な距離で問診・診察を行う試験構造であるため、現在の試験スタイルでは実施が困難な状況です。
しかし、そこはさすがアメリカ、柔軟性が高く、このCSをオンライン試験にできないかと検討しているようなのです。それは、コロナの影響で遠隔診療が浸透してきた流れを汲み、試験もオンラインにすべきだという強い声に応えようとしているということになります。
USMLEの最新情報は以下のURLをcheck!↓
ただ当然ながら、いきなりCSをオンラインにするといっても、超えるべき壁が万里の長城の如く連なっているのです。特にオンラインでの身体診察能力の評価方法は今後注目すべき点でしょう。CSの動向については、「CSがオンライン試験になったら」というテーマで今後また記事にしていく予定です。
CS中止後の代替試験は?
さて、コロナがやってきた。CSが止まってしまった。はてさて、困るは当然ながら受験生。「おい、CSに合格しないとレジデントになれないやんけ」と叫ぶは受験生なのであります。実際に、SNS上のIMGは阿鼻叫喚で、悲喜こもごも。皆、ECFMGに対して言いたい放題だったのです。さて、コロナが蔓延しているとはいえ、受験生をこのままにしておくわけにはいきません。ECFMGは「代替案を検討している」と公表していたのですが、その結論が出されるまでには様々な憶測が飛び交っていました。
「TOEFLになるのではないか」という意見も耳にしましたが、僕は其の時より
「TOEFLではなく、TOEFLの医療版が来る可能性が高い。そのため、CS受験生は従来のCSの勉強を続けるべきであり、特に発音矯正やリスニングなどの基礎的な部分に注力したほうがいい」
と伝えてきました。何故なら、IMGの英語力が臨床現場で様々なトラブルを引き起こしているとよく耳にしていたからです。そのため、CSの代わりとなる試験は。問診や診察の能力よりも英語力(特に医療現場での)を重視するはずだと考えていたのです。
OETを介したECFMG取得条件とは?
そして、ついにその代替案が公表され、OETというテストに置き換わることになったのです。そこで気になるのが「OETを介したECFMG取得の条件」でしょう。
公式情報によれば、以下の手順でECMFG certificateを取得することになります。
- OET全項目でB以上取得(スコアについて後日詳述)で仮資格が得られる
- 2021年のACGMEが認可したプログラムにマッチする(つまり、普通にマッチすればいい)
- 研修1年経過すると仮資格から本資格(ECFMG certificate)になる
このような背景があり、OETが代替手段となったわけですが、OETのSpeakingも面接官との対面試験なので感染リスクを完全に除外できているのか疑問ではあります。ちなみに、OET本番でもマスク着用義務があり、フェイスシールドを選択することもできます。
果たしてOETの導入は1年限定の応急処置なのか?
以上が、USMLEとOETの関係性なのですが、ここで一つ考察を加えるのであれば、果たしてOETは1年限定の代替試験なのかということです。これは1年から1年半以内にはSTEP2CSをオンライン試験に移行できるという希望的な観測のもと設定された期間であり、実際にはその移行にどれくらいの期間を要するかは不明なのです。ということは、場合によってはOETでの代替が予定以上に長くなる可能性があります。さらに、トランプ大統領が自国民の雇用を優先する(というか、その政策で票を得る)ために、移民の流入を制限する流れもあり、中々見通しが立ちにくい状況となっております。そこで、OETを積極的に勉強することは従来のアメリカでの臨床留学に向けた準備になるだけでなく、イギリスやオーストラリアを視野に入れた準備にもなるのではないかとも考えています。
「人柱」に俺はなる!
しかし、実際にCSとどれほど互換性があるのか、そしてBを取ることの実際の難易度が不明(N数が少なすぎる)なので、OETを勉強することの有用性を量るべく、セザキングが「人柱」になろうと思ったわけです。
何が人柱かって、受験料が5万円くらいするし、大阪のみの開催だし、そもそも受ける必然性は皆無であることなのですが、「人生全部ネタ作り」という信条で生きているセザキングがここで受けずしてどうすると、思うに至り(相変わらず変態である)、早速ぽちったというわけです。
日々の仕事に追われる中、どれほど情報収集できて、いかほど準備できるのか不明でありますが、暗中模索で頑張ろうと思います。とにかく「生の」情報を提供することが僕の使命なのであります。てことで、次回からまたOETに関する情報をシェアしてまいる所存であります。
てことで、しーや。
あ、最後に宣伝。「セザ本」まだまだ好評で未だに一位になることがあります。是非、手にとってくだちい。
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