USMLE概要①~米国医師国家試験とは~2023年10月20日更新

USMLE概要USMLE概要

2023年10月20日更新

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ハイ!ナイストゥミ―チュー!USMLEコンサルタントのDr.セザキングです。「USMLE」という言葉を耳にしたことはありますか?この記事では米国医師国家試験であるUSMLEをどこよりも分かりやすく明快に解説していきます。

この記事では
・USMLE概要
・STEP1,2CK,2CS、3
・OET
の簡単な紹介をしています!
Dr.セザキング(瀬嵜 智之)
USMLEコンサルタント・合同会社U-Consultant代表
精神保健指定医
国立国際医療研究センター病院や亀田総合病院などの有名病院に精神科医として勤務。その後、日本人の臨床留学の夢を叶えるべく、一念発起しUSMLEコンサルタントとして独立・起業。YouTubeやTwitterなどを通じて精力的に情報発信をしている。著書「Dr.セザキング直伝!最強の医学英語学習メソッド」医学書院はAmazonでベストセラー1位を記録。

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USMLEの概要

・USMLE概要

USMLEとはUnited States Medical Licensing Examinationの略称であり、つまり米国の医師国家試験のことです。

USMLEは、FSMB(Federation of State Medical Boards:医事審議会連合)とNBME(National Board of Medical Examiners:国立医療試験審議会)によって主催され、アメリカ合衆国各州で医師免許取得の際に行われる試験です。

一般にアメリカ合衆国内のメディカル・スクールの在学生・卒業生(M.D.)は、各州で医師免許取得の際にUSMLEの3段階の試験に合格することが要求されます。

また、アメリカ合衆国以外における医学校を卒業した学生(International Medical GraduatesのことをIMGと呼びますが、今後よく出てくるので覚えておいてください。)がアメリカ合衆国各州で医師免許を取得し診療を行う場合にも、USMLEの3階段の試験に合格することが必要となります。

つまり我々日本人もIMGに含まれ、米国で臨床留学(研究留学の場合は不要)する場合は基本的にUSMLEに合格する必要があります。(例外あり:一部の州では試験合格なしで働くことができる場合もあります)

Home | United States Medical Licensing Examination (usmle.org)

・USMLEの構成:STEP1, 2CK, 2CS, 3➡CS廃止

USMLEは通年で受験可能で日本では東京と大阪で受験が可能です。アメリカの臨床研修指定病院に研修希望する際にはここでの成績がマッチングの選定に影響します。 試験はMCQ (Multiple Choice Question)方式のコンピュータによる学科試験によって行われます。

日本の医学生が4年次に受けるCBTはUSMLE STEP1をモデルとしており、試験方式も殆ど一緒です。以前、USMLEはSTEP1、STEP2(CK・CS)、STEP3の3段階の形式で構成されていましたが、2023年2月現在コロナの影響でSTEP2CSは廃止となり、現在はSTEP1、STEP2CK、STEP3で構成されており、それにOETという英語試験が一時的に追加されています。2023年現在もOETの導入は継続中で暫く続くものと考えられます。

STEP1、STEP2CK、OETに合格するとECFMG certificateという証書が発行され、これにて米国で働くことが可能になります。

STEP1とSTEP2CKはどの順番でも受験が可能であり、基礎医学履修後、かつ医学部3年生以上であれば受験できます。しかし、STEP3だけはECMFG certificateを取得していることが受験資格の条件となります。またOETはUSMLEとは独立した試験なのでいつでも受験が可能です。

USMLE概要⑮:受験資格と受けられる大学~2023年最新版~

STEP1:

基礎医学分野からの出題です。試験はマルチプルチョイスの問題で構成され、問題数は1ブロックあたり40問以内であり、全7ブロックで合計で280問を超えないようになっています。これに休憩時間1時間を足して凡そ合計8時間の試験です。

一般的な米国の医学生は2年次の終わりに受験します。また日本人では、基礎医学を終了しており、かつ医学部に2年以上在籍していることが受験条件となっています。つまり、基本的に3年生以上であれば受験可能と言えます。しかし、現実的には多くの方が早くて4年生後半~6年生にかけて受験しています。

以前は試験結果はスコアで表記されており、多くの受験者がハイスコアを狙っていました。しかし、2022年1月よりスコア制度が廃止となり、Pass/Failのみの判定となりました。しかし、内部スコアは残存しており、2023年10月時点の合格最低スコアは196となっています(内部スコアのみ残存しており、スコアレポートには表記はされません)。

スコア制度廃止に伴いSTEP1はハイスコア狙いの試験から、効率よく最短で合格を狙う試験となりました。以前はSTEP1のスコアがアピールポイントになったり、また足切りのスコアとして使用されていました。スコアによる差別化ができなくなったのです。それは現在主流のSTEP2CK重視主義にも大きな影響を与えています。

STEP2CK(Clinical knowledge):

臨床医学からの出題であり、一般的な米国の医学生は4年次に受験するようです。STEP1と同様にマルチプルチョイスです。問題数は1ブロックあたり40問以内であり、全8ブロックで構成されており合計で318問を超えないようになっています。これに休憩時間1時間を足して、合計9時間の試験となります。

日本の国家試験的な位置づけに試験になりますが、CKもSTEP1と同様にMCQ方式のCBTになっています。問題の中には論文や薬の説明書の1部を読ませて問題を答えさせるような長文問題も含まれており、そのような問題を含む場合は1ブロックあたりの問題数が減ります。2023年2月現在の合格最低スコアは214です。ここ数年で合格最低スコアが189→214と25も跳ね上がっています。実は日本人はSTEP1よりもSTEP2CKに落ちやすく、214というスコアは全く馬鹿になりません。

またSTEP1のスコア廃止に伴い、マッチングではSTEP2CKのスコアが重視されるようになりました。スコアのインフレによって、250や260のようなハイスコアが決して珍しくないようになってきています。確かにスコアによって足切りされることは確かですが、一方でスコアが決定打になることは少なく、結局はスコアよりも如何にしてコネクションを得るかという点が最重要と言えます。

STEP2CS(Clinical skills):

*2023年10月現在STEP2CSは廃止となっています。

基本的臨床技能に関する技能試験です。日本のOSCEに相当するものだと考えてください。12種類のスタンダードな症例に対し、模擬患者役から、問診、診察、診断等を行っていくというものです。

試験会場は全米でフィラデルフィア、シカゴ、アトランタ、ヒューストン、ロサンゼルスの5都市で開催されています。STEP1, 2CK, 2CSまでを合格するとECFMG certificateが発行されます。これを取得するとレジデントとして働く権利が得られます。

以前は日本人にとって最難関の試験でした。しかし、現在はOETという試験に置き換わっています。

OET:Occupational English Test
オーストラリア発の職業英語試験で、以前はオーストラリアやニュージーランドに留学するために合格が求められた試験でした。今はSTEP2CSの代替試験となっており、これで一定以上のスコアを取ることが求められます。STEP2CSと比較するとかなり易しいですが、リスニングの癖が強く、特別に対策する必要があります。

STEP3:

総合的な医療知識と実践に関するCBT形式の試験です。試験内容はSTEP1やSTEP2と同様にマルチプルチョイスの試験と、STEP3に特有なCCS(Clinical Case Simulation)という試験で構成されます。(試験の詳細はSTEP3の記事をご参照ください。)

STEP3はその州で働くための州免許試験のような役割があります。アメリカ人の多くはレジデンシーの初年度に受験します。試験は2日間に渡って行われます。他のSTEPと異なり日本で受験ができません。多くの日本人は最も近いグアムで受験することが多いです。合格最低スコアは198です。

あまり話題に上がらないSTEP3ですが、実はCBTの中では最難関の試験です。これまでのSTEPの全ての知識を総動員する必要があります。とはいえ、受験生全員がECFMG Certificateを取得した猛者なので、これまで通りに対策すれば合格は可能です。

本記事では非常に簡単にUSMLEの概要について解説しました。巷ではUSMLEの情報に溢れていますが、正確性に欠けるものも散見されます。興味のある方は是非、このUSMLEGOを隅から隅まで読んでください。合格までに必要な情報が詰まっていると確信しています。

その②:スコアの見方はここから。

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コメント

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