大学4年でSTEP1に合格⁉ 3か月で正答率を2割上げるAnki活用術(使い方)

AnkiSTEP1対策

必見!正答率を2割上げるAnki活用術!

挨拶

ハイ!ナイストゥミーチュー!セザキングです。今回は久しぶりに勉強方法の関する記事をお届けしようと思います!最近、ある医学部4年生が見事にUSMLE STEP1に合格しました。ただその彼も決して順風満帆ではなく成績が伸びずに悩んでいたのですが、暗記アプリ「Anki」を使いこなしてなんとたった3か月で正答率を2割(5-6割➡7-8割)も上げて合格してしまったのです。

「Ankiってよく聞くけど良く分からない」

「使ってみたけど合わなかった」

そんな意見も僕の耳によく届きます。今回は「Ankiとは何か?」という点を詳しく説明した上で、一般的な活用方法を紹介し、さらにUSMLE用のAnki活用術についてもまとめてみたいと思います。本ブログはUSMLEをテーマとしていますが、どの勉強にも応用できる活用術だと思いますので、成績が伸び悩んでいる方はどなたでも是非参考にしてください!

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Ankiとは?

このブログでは何年も前より紹介しているためご存知の方も多いかと思いますが、Anki(アンキ) とは、「忘却曲線」に基づいたフラッシュカード型の暗記アプリです。フラッシュカード自体は何十年以上も前より「単語暗記カード」という紙媒体で日本中に普及されてきました。僕自身も大学受験時代、そして医学部低学年時に暗記カードを作って勉強していました。このAnkiはそのフラッシュカードのアプリ版なのですが、最大の特徴は、記憶に残りやすい「間隔反復(Spaced Repetition)」というアルゴリズムを使って、効率よく復習できる点にあります。この記事ではその特徴と活用術について詳しく解説していきます。

ちなみにこのAnkiは文字通りその語源が日本語の「暗記」から来ており、現在では世界中の学習者に愛用されていますが、実は開発者はオーストラリア人です。その開発者が日本語学習をしていたことが「Anki」と名付けられた由来のようです。名前から得られる印象としては日本から世界に普及していったと思われるかもしれませんが、実際には海外で先に普及し、その後徐々に日本でも浸透していきました。僕が10年以上も前にアメリカの病院見学をしていた際に出会ったアメリカ人医学生もAnkiを愛用していました。ここ数年でようやく日本の医学生の中でも普通に使用されるようになってきたのではないかと思います。

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Ankiの主な種類・バージョン一覧

実は「Anki」とされるアプリにも様々な種類があります。それぞれ異なる特徴を持つため初心者は混同しやすく、使い慣れる前に嫌になって辞めてしまうことがあります。最初にその種類とそれぞれの特徴を把握しましょう。

Anki(本家PC版):無料。Windows / macOS / Linux すべての機能が使える最強版
➡プラグイン・LaTeX・画像・音声・カスタマイズ完全対応。

AnkiDroid(Androidスマホ / タブレット)
: 無料
➡モバイルでの学習に最適。共有デッキのダウンロードや同期にも対応。AnkiMobile iOS(iPhone / iPad):有料(約3,000円)
➡安定性と同期機能が強み。画像・音声・LaTeXも可。

AnkiWeb Webブラウザ(全OS)
:無料
➡ブラウザ上で使える簡易版。カードの追加・閲覧・復習が可能(機能は限定)。

Ankiを使いこなしていく場合、AnkiWebを使ってスマホ(AnkiDroidまたはAnkiMobile)と本家Ankiを同期させていくことになります。基本的にはPC版でカード作成・編集作業を行い、スマホにデータを送って、スマホで暗記作業をするのが効率的でしょう。iphone版のみ有料となっていますが、買い切り型で特に追加料金も必要ないので使いこなせば十分過ぎるくらいペイできると思います!

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Ankiの主な特徴

無料&クロスプラットフォーム対応

先にもお伝えした通り、AnkiはWindows, Mac, Linux, iOS, Android等の数多くのプラットフォームから利用することができます。データをクラウド同期することで、家ではPCで外ではスマホとシームレスに使用することができます。特にAnkiのような暗記作業は椅子に座ってじっくり解くものというよりも、通勤・通学中などの隙間時間を使って進めていくことがオススメです。

自分でカードを作成 or 既存のデッキをダウンロード可能

Ankiのデッキには自分で1から作る「自作デッキ」と、他のユーザーが作成したものをそのまま使う「共有デッキ」があります。後ほど詳しく説明しますが、自作では自分の参考書や授業内容をそのままカード化できます。

例:表面「白血球の種類は?」 → 裏面:「好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球」

USMLEのSTEP1におけるAnki活用術として「バイブルであるFIRST AIDの内容にAnkiに入れ込んで丸ごと暗記してしまう方法」を推奨しています。(多分今後主流になる)

「共有デッキ」では他のユーザーが作ったデッキを無料ダウンロード可能して使用することができます。USMLEではAnkingなどがあり、その前身はZankiでした。

今でもこれらの共有デッキの使用を推奨する声も聴きますが、個人的には正直あまりオススメできません。まず前提として最近それを活用して合格したという人を知りません。(いると思うけど個人的にはゼロ人)また、STEP1のスコアがあった時代はFAの情報量を超えて、何もかも暗記すべきという風潮があったため何万枚にもなるZankiなどを命を削りながら覚える人もいたのですが、「Pass/Fail」になった今、流石にtoo muchと言えるでしょう。(とはいえ使い方次第だと思うので、苦手分野を重点的に解くとかはアリ)

「AnkiWeb」やRedditなどに多数の共有デッキがアップされていますが、あくまで参考程度としてください。

画像・音声・LaTeX数式も使える

Ankiではただの文字情報だけでなく、画像・音声・LaTeX数式などのマルチメディア情報を自在に扱えます。これにより、暗記の幅が大きく広がり、五感を使った学習が可能になります。例えばUSMLE学習においては表面に病理画像を貼り付けて、裏面に所見を記載しておくというような活用も可能です。

音声ではMP3を挿入することもできるため、英語の音声を入れて裏面にスクリプトを載せておくこともできます。未だ実例はありませんが、OET対策にも活用できる可能性を感じます。

毎日の復習量を自動で最適化

この機能がAnkiの最大の強みです。Ankiでは毎日自動で復習すべきカード(数十~数百枚)が与えられます。この機能は「忘れそうなタイミングでカードが出てくる(Spaced Repetition)」もので、解く度に自分でカード1枚1枚に対して「Easy(簡単)」「Good(普通)」「Hard(難しい)」などの評価をすることで、次回の出現間隔が自動で調整されていきます。

例えば一気にFAの内容を入れ込んだAnkiを2000枚作ったとすると、毎日何百枚ものカードを解くことになります。そして、それをひたすら繰り返していくと習熟度が上がっていき、覚えていないカードが中心で出題されるようになっていくわけです。

カード毎の習熟度は以下のようになっています。

New:これから覚える(最も時間がかかる)
Learning:忘れやすい時期(何度も出てくる)
Young:定着し始めたけど、油断は禁物
Mature:定着した知識。ここまで来たら効率◎

デッキの大半のカードをMatureにすることが当面の目標と言えるでしょう。

プラグインで機能拡張可能

Ankiはオープンソースなので、ユーザーが開発したプラグイン(拡張機能)を自由に追加できます。

プラグインを入れる方法
①Ankiを開く(PC版)
②上部メニュー「ツール」→「アドオン」
③「アドオンを取得(Get Add-ons)」をクリック
④数字のコードを入力(例:1771074083)
⑤再起動すれば反映される

例えば以下のような機能があります。

Image Occlusion (code: 1374772155):画像にマスキングして「ここ何?」形式で出題(例:解剖図)することができます。特にSTEP1ではFAだけでは解剖の習熟が難しく、以前よりまとめノートを推奨してきました。解剖にも使える機能ですし、またメモリーツリーの一部を穴埋めにすることもできます。必須とは言えないものの、選択肢の一つとして覚えておいてください。

Advanced Browser(code: 874215009): カードの検索・並び替え機能を強化するプラグインです。通常のブラウザ画面(カード一覧)に、以下のような列が追加されます。

Ease(習熟度 %)
Interval(日数)
Lapses(忘れた回数)
Reviews(レビュー回数)
Added(追加日)
Tags(タグ) など

➡ これにより、「覚えにくいカードだけを抽出」したり、「特定の条件で並び替え」たりが一瞬で可能になります。

Hierarchical Tags (code: 594329229):タグを階層化(例:解剖学 > 骨 > 上肢)ようになります。大量のカードを分野別に整理しやすくなるため、特に医学(USMLE/国家試験)のように階層構造がある学習に最適です。

Heatmap(code: 1771074083): 毎日の学習量をカレンダーで可視化できます。日ごとの学習量がヒートマップで表示(緑=多、赤=少)され、連続学習記録(Streak)も表示されるため学習ペースやモチベーションの維持に非常に役立ちます。

 

Anki合う合わない問題

USMLE受験界隈、というより世間的に「Anki」は人によって好みが分かれやすいです。もちろんフラッシュカードを用いた学習が好きか否かという点が一番大きいとは思いますが、同レベルでその好みが分かれる理由は技術的なハードルの高さにもあると思われます。特にインターフェースが直感的でなく、「デッキ」「ノート」「カードテンプレート」「タグ」などの用語が一般的な感覚とズレているため、作業手順が直観的でなく「使い方を調べながらじゃないと無理」という声が多くなってしまいます。

僕自身も軽い気持ちで触ってみたことが何回かありましたが直感的に使いこなせずに途中で使うのを辞めてしまいました。恐らく技能的な問題で挫折した方も多いかと思いますが、実際に使いこなすことで学習効率が飛躍的に伸びるポテンシャルを秘めているのも確かであるため、今回まとめてみようと思ったわけです。

USMLE受験生がAnkiを始めるタイミング

これから具体的なAnkiの使い方についてお話していきますが、その前に「いつAnki学習を開始するか」という点についても触れる必要があります。USMLEを含めて、あらゆる試験勉強には問題を解くフェーズと暗記するフェーズがあると思っています。学習方法は人それぞれとは言え、ある程度の王道パターンがあります。全く未知のものを勉強する際にはインプットから始める他ありませんが、英語や医学のようにある程度の知識がある場合は問題を解く(アウトプット)から始めることを推奨しています。問題を解くとは「敵を知る」ことであり、序盤から本番ではどのような知識がどれほどの難易度でどのくらいの頻度で出題されているのかを把握することで勉強方針が立てやすくなります。USMLEにおいてFAはバイブル的な参考書ではありますが、実際にはFAの内容にも濃淡(重要度)があります。

この濃淡を把握しないままAnkiカードを作成しようとすると、非常にメリハリのないカードになってしまいます。そこでAnkiの開始が推奨されるタイミングは「オンライン問題集(RxまたはUW)の1周後」です。1周後の段階では知識はまだ全然定着されていないことが予想されますが、ようやく全体像が見えてきていることでしょう。また出題されるポイント、覚えるべきポイントも把握できてくるタイミングです。ここで一気にFAの内容をAnkiに入れ込んで丸暗記をして、その後に問題集の2周目を解くと飛躍的に成績が伸びる可能性が高いです。

↓USMLEの概要と勉強方法がこの1冊に

Ankiの使い方

Step 1:Ankiをインストールする

公式サイト:https://apps.ankiweb.net/  Windows / Mac / Linux 対応(すべて無料)

スマホで使いたい場合: Android:AnkiDroid(無料) iOS:AnkiMobile(有料:約3,000円)

Step 2:デッキを作る(学習テーマごとの箱)

Ankiでは「デッキ」という単位で学習を管理します。デッキとは、単語帳や教科ごとのフォルダのようなものです。

例:「STEP1」「英単語3000」「CBT対策」「世界史年号」など
やり方:①Ankiを開く ②「デッキを作成」をクリック ③名前を入力してOK

ここでは「USMLE」デッキを作成してみましょう!

Ankiでは「USMLE」の下層に「Neurology」や「Psychiatry」のようにサブデッキを付け加えることができます。「USMLE」のデッキのみでは情報の分類ができないため、科目別でサブデッキを加えることをお勧めします。その際は、FAの目次に準じて構成していくといいでしょう。

具体的なサブデッキの作り方(①または②)
①「USMLE::Neurology」のようにメインデッキ「USMLE」の後ろにコロンを2つ付ける
②「Neurology」のデッキを作成後に、「USMLE」デッキまでドラッグする

またAnkiでは数字またはアルファベット順に並ぶようになっているので、FAの目次順に並べたい時は「01Biochemistry」「12Neurology」のように数字をつけることで整理が可能です。

Anki階層化

Step 3:カードを追加する(表と裏)

Ankiの1枚のカードは「表(質問)」と「裏(答え)」で構成されています。基本的な使い方としては、表面に問題を書き、裏面にその解答を記載するものです。

例:表:「リチウムの副作用4つ」

裏:「LiTHIUM:
Low Thyroid (hypothyroidism)
Heart (Ebstein anomaly)
Insipidus (nephrogenic diabetes insipidus)
Unwanted Movements (tremor)」

やり方:
①作ったデッキをクリックして開く
②「カードを追加」
③表と裏にテキストを入力
④「追加」をクリック

これが基本的な使い方ですが、タイトルにもある通り、その医学生はこのカード作成機能をさらに工夫して成績を伸ばしました。それは「穴埋め機能」を活用するものです。Ankiには様々なノートタイプが存在し、たった今紹介した「基本」以外にも「穴埋め問題」というタイプがあります。この穴埋めを上手く活用することでFAの内容を頭に入れ込むのが本記事で最も伝えたい戦術です。

手順は以下の通りです。

FAのデータを準備する

ここは事情によりあまり詳しくは話せませんが、FAの内容をAnkiに入れ込んでいく必要があるためデータを準備する必要があります。FAの電子版はKindle用として販売されていますが、そのままでは使うことができません。そこで丁寧な手順を取るとすれば、Kindle版をスクリーンショットしたものをPDF化し、さらにOCR処理(文字認識できるようにする)することで準備完了です。もちろん手間ではありますが、これ以外の方法はここでは言及することはできないことをご了承ください。

FAの内容をAnkiの表面にコピペする

本記事では便宜上「FAを丸ごと覚える」と表現していますが、現実的にはそこまでは覚える必要がなくある程度は取捨選択することができます。ただ初学者にはこの優先付けが難しいため、Ankiを始めるタイミングは「何らかのオンライン問題集を1周終えて全体像を把握した後」を推奨しています。「ここはあまり出題されないしまぁいいかな」という箇所を除いて、基本的には全ての情報をAnkiに入れ込んでいきます。具体的にはFAの中で覚えたい内容をコピーしてAnkiにペーストします。FAの内容をそのまま掲載するわけにはいかないので、本記事では僕の講義動画「はじ100」の添付教材を使います。今回は先天性免疫不全症の一つ高IgE症候群をピックアップしております。

「USMLEはじめの100問~完全版~」初学者必見!唯一のUSMLE日本語講義動画の紹介(400ページ弱のテキスト付)

Anki 1

デッキは「USMLE」デッキの下層である「02Immunology」サブデッキを準備しました。そして、ノートタイプを「基本」から「穴埋め問題」に変更します。

表面の情報を穴埋めにする

次に穴埋め機能を活用していきます。穴埋めには左:「穴埋め問題」と右(赤丸):「穴埋め問題(同じカード)」の2種類があります。違いは前者は隠した情報一つ一つが個別のカードとなり、後者は隠した全ての情報が一つのカードとしてまとまるということです。つまり、前者だと一部のみを隠すために他に隠している知識が学習過程で必然的に見えてしまうことになります。また前者はカード枚数が増えてしまい情報の集約という点で難しくなります。好みが分かれるところかもしれませんが、情報をまとめる、そして隠された知識をまとめて覚えるという点において「穴埋め問題(同じ)カード」のほうがオススメです。

Anki2

裏面に補足情報(画像等)を張りつける

Ankiをただのフラッシュカードではなく情報集約アプリとして活用していくためには、表面にはそのカードのテーマに関する情報を集約し、そして裏面にはそれに関連するような情報(画像等)を貼り付けていく方法があります。従来のフラッシュカードは情報整理目的ではなく単純に暗記をするだけの用途でしたが、デッキに下層にサブデッキを作成すること、そしてカード内に情報や画像などを集約していくことで情報整理の目的としても利用できるようになります。

add-onによりタグを階層化する

これも好みが分かれるので絶対推奨というわけではないですが、add-onを利用することでタグも階層化することができます。デッキは科目別に作成しますが、疾患などのテーマ別にまで細分化すると非常に煩雑なデッキになってしまいます。そこで、タグ機能を利用します。Ankiにはタグ機能がデフォルトとしてついており、各カードに複数のタグを追加することができます。

ただ元々の機能ではタグ同士を関連付けることはできません。そこで先に紹介したHierarchical Tags (code: 594329229)を利用することタグを階層化し、例えば疾患毎のDemantiaのタグの下層にLewy小体型認知症や脳血管型認知症のタグを関連付けることができます。

タグ

この図では免疫不全症タグの下層にT細胞性のタグをつけています。つけ方はデッキと同様でメインタグの名称の後ろにコロンを2つ付けたらOKです。この階層化機能を利用するにはadd-onが必要になるので、興味のある方が是非試してみて下さい。

このようにFAの内容をAnkiに中に取り込んでいきます。この過程では問題を解くことはせずに作成のみに集中してください。忙しさにもよりますが、1-2ヵ月かけて一気に作り上げることを目標としましょう!

↓メンバー200名を超えるオンラインサロンでは今回のような勉強方法や他には出せないような情報を多数取り扱っています。入会には条件と審査が必要ですが、ご興味のある方は以下の記事をご覧ください。

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Step 4:復習する(習熟度に応じて復習間隔が決まる)

カード作成後にはいよいよ学習(暗記)を開始します。アプリを起動するとデッキを選択できる画面が開くので、そこで学習したいデッキを選択します。すると「学習開始」ボタンが出てくるのでそちらを押すと学習が開始となります。初期設定では「新規カード」「学習中カード」「復習カード」が混ざって1日何十から何百枚出題されます。

Ankiは、カードを提示したあとに以下のような選択肢が現れます。設定や各カードの到達度により詳細は異なります。

ボタン表示例意味
Again1分後忘れていた、すぐに再提示される
Hard5分後覚えたがギリギリ、少しして再提示
Good10分後普通に思い出せた、10分後にもう一度出てくる
Easy10日後余裕で覚えていた、次は10日後の復習

機能的には「忘れる直前」にだけ復習できることになっているので、これを繰り返すことで効率良く記憶に定着していくことができます。確実に暗記してしまったものは穴埋めを消して、今後覚えたいもののみを穴埋めとして残していくとより効果的かもしれません。最終的に殆どのカードを「復習カード」にしていくのが当面の目標と言えるでしょう。

Step 5:AnkiWebと同期してスマホでも使う

最後にAnkiWeb使って、PC版とスマホ版を同期する方法を解説します。

AnkiWeb に登録(無料)

①AnkiWeb公式サイトにアクセス → https://ankiweb.net
②「Sign Up」からアカウントを作成(メールアドレス+パスワード)

PC(Anki Desktop)と同期設定

①Anki(PC版)を起動
②右上の「同期ボタン」をクリック(初回のみ、AnkiWebアカウントでログイン)
③「アップロード or ダウンロードしますか?」と聞かれたら:
PCで作ったデッキ → スマホに送りたい:→「アップロード」
スマホの内容をPCに反映したい:→「ダウンロード」

* 一度同期すれば、以後「同期ボタン」を押すたびに自動で進捗とデッキがクラウド共有されます。

スマホ側でも同期設定

①【iOS(AnkiMobile)】または【Android(AnkiDroid)】アプリをインストール(※iOS版は有料、Androidは無料)
②起動後、メニューから「同期」や「AnkiWebにログイン」:同じAnkiWebアカウントでログイン
③同期を実行(Wi-Fi環境推奨)

上記の操作によりPCで作成したデッキをスマホに同期させることが可能です。繰り返しになりますがAnkiの学習は隙間時間を利用することが非常に重要となります。実習の合間、通勤・通学中、トイレに入って1問、信号待ちの時間、カンファレンスを待つ時間など、これらの時間をかき集めてどんどん暗記していきましょう。勉強時間はもらうものではく「作るもの」です。

まとめ:Ankiの使い方5ステップ
ステップ 内容
① アプリをインストールする
② デッキ(教材フォルダ)を作る
③ カードを追加(表と裏)
④ 復習する(間隔反復で記憶定着)
⑤ スマホと同期してスキマ時間も活用

何故成績が飛躍的に伸びるのか

本記事では「医学部4年生がSTEP1に合格したAnki活用術」について解説しました。彼はこれを経てオンライン問題集UWの正答率が1-2割も上がったとのことでした。この要因を考察すると、恐らく2つの主な理由が挙げられます。

①穴埋め機能を利用して知識を定着させた

受験生の成績が伸びない理由の大半は「正確に暗記していない」ことでしょう。当たり前だと思うかもしれませんが、ここが国試との明確な違いでもあります。USMLEの問題は決して曖昧な知識では解くことができないのです。正直、国試は知識が曖昧であったとしても「なんとなく」で正解を選べることが多いです。例えば、国試ではうつ病に対して抗うつ薬やSSRIのような「カテゴリー」が選択肢に並ぶことが多く、薬品名が選択肢にあったとしても、5つの選択肢の内、4つは抗うつ薬ではないというように消去法で選ぶこともできます。一方でUSMLEの場合、選択肢は全て抗うつ薬であり、それぞれの薬の違いを知らないと正答できないようになっているような問題ばかりです。

つまり、「なんとなく」とか「センス」では正答できず、今まで以上により正確に暗記していく必要があるのです。優秀で要領のいいタイプの人ほど、USMLEで苦しむ傾向にあります。(効率の良さだけではクリアできない試験だから)

このような理由より、FAの知識を最大限正確に暗記していくことが重要になるのですが、この活用術はFAの内容の大半をAnkiに入れ込み、かつ自分で覚えたいものを設定(=穴埋め)でき、さらに確実に暗記できるまで何度も繰り返すことができる点で非常に有用なのでしょう。

②情報をAnkiに集約した

先にもお伝えした通り、Ankiは情報集約アプリとしても利用できます。10年以上も前より「情報を一つに集約しろ」と何度も何度もお伝えしてきました。講演会でも必ずお伝えしています。従来であればSTEP1でその役を担うのがFAであり、そしてCKではNotionでした。CKではFAではなく、Notionのようなオンラインノートに情報を集約するのが主流であるように形に拘る必要はありません。

Ankiではフラッシュカードに情報を集約するだけでなく、サブデッキやタグの機能を利用して階層化することで知識を整理することができます。このようにAnkiを通じてインプットもアウトプットもできてしまうというわけです。

まとめとアドバイス

非常にボリュームのある記事になりましたが、今回はAnki活用術についてお話しました。今回はAnkiについて触れましたが、世の中には様々な勉強方法はあり、絶対的な正解はありません。

Trelloというタスク管理ツールを利用してCKでハイスコアを取った方もいます。ほら、なんでもありでしょ?

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もちろんAnkiも是非試して欲しいのですが、もっと重要なことは「色んな勉強方法を試して自分にとっての最適解を見つけよう」ということです。言い換えると「柔軟になろう」ということでしょうか。勉強が苦手な人の特徴として「自分のやり方に拘る」というものがある気がします。それで上手くいってるのであれば申し分ないですが、勉強に苦手意識があったり、成績が伸び悩んでいる人がとにかく色々と試してみることです。僕自身もSTEP1を通じて、勉強方法を確立していったと自覚しています。

みなさんにとっての正解が見つかることを願っています。

それではまた!しーや。

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