USMLE STEP3対策・勉強方法まとめ
ハイ!ナイストゥミーチュ!Dr.瀬嵜です。
今回は「STEP3に関する情報のまとめ」をお届けしたいと思います。
ここで大よその枠組みを掴んで頂き、気になる情報の詳細は各記事を参照にしてください!
「STEP3対策まとめ」のポイント
2:CCS対策は当ブログとU WORLDでばっちり!
3:州によっては年数制限があるので注意!
まずは受験に必要な情報が沢山あるので整理していきます。
USMLE概要
USMLEとはUnited States Medical Lisencing Examinationの頭文字をとったもので読んで字のごとく「米国医師国家試験」のことです。
USMLEはSTEP1、STEP2CK、STEP2CS、STEP3の4つの試験で構成されています。
STEP1:日本でCBTに相当する試験。基礎医学から出題される。この記事ではSTEP1に関する情報をお届けします。

STEP2CK:clinical knowledgeの略。日本で国家試験に相当する試験。臨床医学から出題される。
STEP2CS:clinical skillsの略。日本でOSCEに相当する試験。USMLEの中で最難関。

STEP3:医学部卒業後に受験する試験なので日本では相当する試験なし。
➡今回はSTEP3に関する情報をまとめます!
STEP3はECFMG取得後に受験できるようになります。州免許を得るための試験という位置付けであり、アメリカ人はレジデントの時に受験します。
受験資格
STEP3の試験構成
STEP3はUSMLEの最終試験で、「指揮官による監督がなくても、医師として最低限の医療を実践できる能力があるかどうかをみる試験」です。(STEP2では「指揮官による監督の下」医療が実践できるかどうかをみている。)問題はSTEP1や2CKと同様のマルチプルチョイス(MCQ)に加えて、CCS(Computer-based Case Simulations)と呼ばれるSTEP3独自の試験があります。
試験日程
試験日程は以下のようになってます。
1日目:MCQ1時間×6ブロック
2日目:MCQ45分×6ブロック+CCS10~20分×13ケース
テーマ
試験内容も1日目と2日目で異なっておりそれぞれにテーマがあります。
1日目: Foundations of Independent Practice (FIP)
FIPでは基礎的な医学・科学知識が問われる。印象としてはSTEP1とSTEP2CKの詰め合わせ。
2日目:Advanced Clinical Medicine (ACM)
ACMでは医学知識を臨床に応用できる能力をみている。2日目は主に検査・診断・治療方法が問われる。

STEP3のMCQはSTEP1で見られたような問題も散見され、またSTEP2CKと比べてより深い知識が求められます。正直、専門医試験の詰め合わせと言えるレベルです。STEP3を受験された方は口をそろえて「STEP3は最難関試験だ」と言います。(STEP2CSは性質が全然違うため比較せず。)以下の記事では僕が衝撃を受けた問題を紹介しています。

CCSについて
CCSとは「パソコン上で実際の診療を最初から最後まで行う」テストのようなもの。骨折した患者来ようが、発熱した患者が来ようが、あらゆる症例で最初の診察から、検査、治療まで行う必要がある。CCSはUSMLEの総集編であり、これまでに学んできた全ての知識を総動員しなければならない。
STEP3の開催時期と受験会場
1年中受験可能ですが日本では受験できません。アメリカ国内またはグアムなどの自治区にて受験可能ですが、日本人の殆どは近くて時差の少ないグアムで受験します。グアムの試験会場は以前はハワイ銀行でしたが現在はグアム銀行に変わっているので注意です。詳しくは以下の記事を参照してください。

STEP3の受験方法
STEP3の申し込みは他のSTEPとは異なります。オンラインの申し込みをECFMGのサイトではなく、FSMBのサイトで行うことに加えて、その後米国大使館で公証を行う必要があります。
オンライン申し込み
STEP3でも最初にオンラインで申し込みを行う必要はありますが、ECFMGを既に取得しているためFSMBという機関の管轄になります。ホームページ上で申し込みを行います。
米国大使館で公証
現在は他のSTEPでも公証が必要になりますが、STEP3では他のSTEPとは異なり米国大使館に出向いて公証を行う必要があります。そのためには平日に大使館の公証サービスを予約する必要があり非常に面倒です。

STEP3のスコア
USMLEでは非常に独特なスコアが採用されており、初見では中々理解しにくいです。
STEP3のスコアは1~300の範囲で表示されますが、殆どのスコアは140~260の範囲に収まります。これは単純な正答率ではないため正答率は50%であっても150/300とはなりません。偏差値のようなものと考えてください。
STEP3ではスコアは殆ど重要ではありません。1回で合格できるかどうかが最大の鍵です。一般的にアメリカ人は研修開始後に受験するわけなので、マッチングの際には当然STEP3は受験していないわけです。なのでSTEP3のスコアは殆ど見られません。しかし、もちろん不合格になっていたりすると「何があったんだ?」となってしまうので、1回で合格することが一番大事になるわけです。そのためスコアにはこだわらずにさっと合格してしまうことをお勧めしてます。
STEP3の教材
残念ながらSTEP3受験にはSTEP2CKと同様にSTEP1のFIRST AIDのようなバイブルが存在しません。しかし、あえて一冊を挙げるならやはり「USMLE STEP3 FIRST AID」となります。
更新の頻度が遅くSTEP2CK以上に使いにくいので必ずしも買う必要はありません。僕は惰性で買いましたがやはりあまり重要性を感じませんでした。UWORLDで得た知識を書き込むメモ帳のような位置付けに留まりました。またSTEP3ではFIRST AID Q&Aは存在しません。
STEP3の勉強方法
STEP3の勉強方法は非常にシンプルです。「UWORLDを完璧にすること」に尽きます。これ以上でもこれ以下でもないです。
MCQ対策
UWORLDを購入しMCQを完璧にするまで何度も繰り返します。これだけです。ECFMGを取得されている方にMCQに関してアドバイスすることは特にありません。2~3周すれば十分に合格は狙えると思います。試験内容はSTEP1やSTEP2CKと被るものが多いのでなるべく間を空けないで受験することをお勧めします。
CCS対策

STEP3の模試
またMCQはUWORLDとNBMEの模試が1種類ずつありますが、CCSは模試が一切なく客観的指標がありません。CCSは操作も難しいので不安になってしまうかもしれませんが、CCSの結果が悪くて落ちている人は多くないと思います。あまり強迫的にならずにいったほうがいいと思います。
STEP3受験のスケジュール例
他のSTEPとは異なりSTEP3では特におすすめの受験時期はありません。ただ一つ気を付けるべきことは「州によっては一定期間内にSTEP3に合格しないといけない」ということです。本来、USMLEの7年ルールはECFMG取得までに関するものなのですが、州によっては「STEP3も〇年以内に合格しないといけない」「〇回以内に合格しないといけない」等の独自のルールを設けています。そのため、なるべく早めに受験されることをお勧めします。
STEP3受験に必要な費用
USMLE受験にはある程度高額な受験費用が必要です。
合格に必要最低限の費用を計算してみました。
受験費用:約15万円
FA:約0.5万円
オンライン問題集(UWORLD3か月分):約3万円
模試2回分:約1万円
グアム往復渡航費:6万円
ホテル代:1.5万×3泊=4.5万円
合計:約30万円
概算なので航空券などは時期によって大きく変動しますので参考に留めてください。
USMLE受験に必要な費用は過去記事「USMLE受験に必要な費用」でまとめていますので是非参考にしてください。

まとめ
STEP3はUSMLEの最後の試験になります。長かった試験もこれで終わりです。問題の難易度は最難関ではありますが、ここまでたどり着いた方々ならしっかり対策すれば問題なく合格できると思います。STEP3対策はUWORLDは全てなので、UWORLDを完璧にすることを目指しましょう。CCS対策は当ブログを参考にしてください。長い長い戦い本当にお疲れ様でした。あと一息だけ頑張ってください!
当ブログではSTEP3に限らず全てのSTEPに関する情報をどこよりも詳しく提供しております。他の情報が気になる方は、是非過去記事「当ブログのオリエンテーション」より検索してみてください。

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