ハイ!ナイストゥミーチュ!セザキングです。
徐々にブログの情報も飽和してきており、改めてここで「USMLE STEP1に関する情報のまとめ」をお届けしたいと思います。ここで大よその枠組みを掴んで頂き、気になる情報の詳細は各記事を参照にしてください!
2022年1月にSTEP1のスコア制が廃止となり、合否のみの「Pass/Fail制」になりました。それに伴いSTEP1の勉強方法にも大きな変化が出ています。今回はそれらの変更点を踏まえて、最新情報を加筆修正していきます。
「USMLE STEP1対策まとめ」のポイント!
1:STEP1受験に必要な情報が多いので整理しよう!
2:STEP1合格までの具体的なスケジュールをたてよう!
3:受験に必要な費用を計算しておこう!
まずは受験に必要な情報が沢山あるので整理していきます。
「えーい、自分で色々調べるのはめんどくさい!」、「大変過ぎて一人では無理!」という方は是非オンラインサロンもご検討ください。不定期で募集をしているので随時ブログをご覧ください。
「何から始めたらいいのか分からない!」「勉強方法に自信がない!」という方が世界唯一のUSMLE講義動画「USMLEはじめの100問」もご検討ください。
USMLE概要
USMLEとはUnited States Medical Lisencing Examinationの頭文字をとったもので読んで字のごとく「米国医師国家試験」のことです。
USMLEはSTEP1、STEP2CK、STEP3の3つの試験で構成されており、臨床留学するためにはこれらにOETという医学英語の試験が加わった形になっております。
STEP1:日本でCBTに相当する試験。基礎医学から出題される。この記事ではSTEP1に関する情報をお届けします。
STEP2CK:clinical knowledgeの略。日本で国家試験に相当する試験。臨床医学から出題される。
OET:USMLEではありませんが、ECFMG取得の為にはこのOETをパスする必要があります。医療に関する「英語の」試験であり、日本でいつでも受験が可能です。
STEP3:医学部卒業後に受験する試験なので日本では相当する試験なし。ECFMG取得後に受験可能になる。
USMLE STEP1の試験構成
上述した通り「基礎医学」からの出題になりますが、問題は全て臨床問題形式です。臨床の中から基礎医学に関する知識が問われます。1ブロック1時間40問以内で全7ブロックで構成されているので、合計7時間。これに休憩が1時間加わり、全8時間の試験となっています。
各受験生がPC上でそれぞれ異なる問題解くCBT形式であり、日本のCBTはこのSTEP1をモデルにして作られました。大体8時半から9時頃に受験開始で、17時前には終わるようなスケジュールになっています。
*当日の詳しいスケジュールや持ち物については過去記事「USMLEのスケジュール」を参照。
USMLE STEP1の開催時期と受験会場
USMLEは基本的に1年中受験可能です。TOEFLなどのCBT試験と同様にテストセンターで受験可能です。
日本では2会場で受験可能で、
・大阪 中津
となっております。年中受験可能とは言え、受験手続には時間がかかり、また会場の予約が空いてなければ受験はできないのでなるべく早め(出来れば3か月前)に申し込みを開始しておきたいところです。
受験会場に関する情報は過去記事「受験会場について」を参照。
USMLE STEP1の受験方法
現在はオンラインのみで受験申し込みが可能です。詳細は「受験方法」の記事を参照にしてください。申し込みには1~2ヵ月は必要と見込んでください。各大学のEMSWP加入状況と学務課の慣れ次第ですが、書類不備でrejectとなることも頻繁ですのでなるべく早くの手続きをお勧めします。
受験方法をYouTubeにて15分で解説しています!高評価・登録もよろしく!
2024年よりMyIntealthというシステムが導入されてUSMLEの受験申請を一変する予定でしたが、システム上の問題で頓挫し、8カ月経過しても何のお知らせもありません。とりあえず現時点では従来通りの受験申請で問題ないかと思います。
USMLE STEP1のスコア
USMLEでは非常に独特なスコアが採用されており、初見では中々理解しにくいです。STEP1ではスコア表示が廃止となりましたが、STEP2CKやSTEP3では未だにスコアが表示されます。またSTEP1のスコアも内部スコアとしては残存しており(つまり受験生やプログラム側には見えないだけ)、その内部スコアによって合否が決まります。
USMLEのスコアは1~300の範囲で表示されますが、殆どのスコアは140~260の範囲に収まります。これは単純な正答率ではないため正答率は50%であっても150/300とはなりません。偏差値のようなものと考えてください。2024年8月時点の合格最低(内部)スコアは196ですが、全STEPでその合格最低スコアが年々少しずつ上昇しております。
スコアの詳細は過去記事「スコアの見方」へ
STEP1の合格率と難易度
USMLE STEP1を勉強する意義
USMLEを勉強する意義は「臨床留学に必要な資格を得る」ことだけではありません。ここでは僕が考える6つの意義を紹介します。
2:医学英語を効率よく学べる
3:医学を深く学ぶことができる
4:客観的な評価を得ることができる
5:様々な出会いがある
6:とにかくかっこいい!
です。各意義の詳細は過去記事「USMLEを勉強する意義」を参照し、さらに気になる方は是非講演会に参加、または主催者として開催してください。(参考記事:「講演会開催マニュアル」)
USMLE STEP1の教材
STEP1受験のバイブルがこの「USMLE STEP1 FIRST AID」です。この本なしにSTEP1合格はあり得ないと言っても過言ではありません。
STEP1受験を考えているなら必ず最初に買うべき1冊です。
この参考書をベースに問題集を解き進めていきます。勉強方法は以下で紹介しますが、ここで絶対にお伝えしたいことは「FIRST AID(以下FA)を決して通読することなかれ!」です。FAはあくまで辞書的な存在であり、通読しても理解できるものではありません。一つ一つの知識が頭の中で結びつくためには問題を解くことで、自分の中でそれらの知識に意味づけしていく必要があります。
僕がお勧めするその他の参考書や問題集は過去時期「お勧めの教材」を参考にしてください。
また以下の記事ではFAの使い方を極めて詳しく解説しています。
対策⑥:FIRST AIDの使い方【STEP1】2023/4/26追記
USMLE STEP1の勉強方法
USMLE勉強の鉄則は兎にも角にも「多くの問題を解くこと!」。これに尽きます。
具体的には「UWorldの問題を徹底的に理解すること」であり、またそれに至るまでにRxなどの問題集をこなす必要があるケースもあります。スコアが存在した頃には問題を可能な限り沢山解いてFAを丸暗記することが戦略でしたが、P/F化された今は異なります。
最重要問題集であるUWをとにかく丁寧に徹底的に理解することです。しかし、このUWは非常に難易度が高く、予備知識のない初学者が最初から挑むと十中八九挫折します。そのため、UWに耐える体力をつけるためにUSMLERxなどの問題集から始めるのも一つの戦略と言えます。
勉強法の詳細は過去記事「必見!勉強法鉄則!」を参照してください。どんな勉強にも絶対に役に足すはずです。
ここではその勉強方法を簡単に紹介します。
- 問題を解く
- 解説を読む
- FAで該当箇所を読む
- FAに載っていないことはFAの余白に書き込む
➡FAへの書き込み方は過去記事「FAへの書き込み方」を参照してください。
①~④を1サイクルとしてそれを何千回も繰り返す
非常にシンプルで強力な勉強法です。このサイクルを継続することにより、「結果として」FAを通読することになります。
最初から通読してFAを理解・暗記するのではなく、問題を解きながら1つ1つの知識を理解していき、それらの知識が徐々に繫がり、結果としてFAを通読するような形になるのが理想です。
そして、あらゆる勉強で大事なことは「情報は1つまとめる」ことです。この大事さも過去記事「必見!勉強法鉄則!」で紹介しております。
*暗記に必須なまとめノートの作り方は過去記事「まとめノートの作り方」を参照。
*Dr.瀬嵜超オススメのメモリーツリーの作り方は過去記事「メモリーツリーの作り方」を参照。
あくまで目安の一つに過ぎませんが、NBME(模試)で正答率65%を超えるくらいで合格ライン上ちというところでしょう。まずはここを一つの目標にしてみてください。
「はじ100」では上記の勉強方法を100問を解きながら身につけることができます。まずはご自身で勉強を始めて頂き、上手くいかない場合は是非参考にしてください。
USMLE STEP1受験のスケジュール例
ここでは「平均的な学力の医学生が無理なくSTEP1合格を目指す場合」のスケジュールの1例を紹介します。人によって学力・目標・大学のカリキュラムなど異なるのであくまで参考に留めておいてください。
設定としては「CBTとOSCEが終わり臨床実習が始まったばかりの学生が1年間でSTEP1の合格を目指し、かつその間に大学の定期試験は無く、国家試験の勉強はせず、部活も熱心にはやらない」とします。
ここは人によってはskip可です。理想的には比較的簡単なオンライン問題集であるUSMLERxから開始できれば良いのですが、学力・英語力の個人差は想像以上に大きくRxでもtoo hardに感じてしまう場合があります。USMLE受験においては、「継続すること」が最大の合格の秘訣であり、そのためにも過酷すぎる状況は避ける必要があります。従って問題なくRxを解ける人はここはskipしてOKです。
目安スピード:1日10~20問
目安スピード:1日20問~40問
Rxが最初のオンライン問題集になる場合には、1周目はrandomでは解かずに臓器別・科目別で解いてください。STEP1の範囲はあまりにも広大であり、最初からrandomで解いてしまうと、知識の繋がりを実感することが難しく知識を網羅的に理解することができません。
また時間の無い社会人はeasyとmediumだけ解くことのもアリです。世界一詳しいRxの使い方は以下の記事も参照してください。
1周後には模試に挑戦してみましょう。(撃沈前提で受ける。試験全体の様子を把握することが目的。)やはり不合格になる人には、「模試を受けていない」という傾向が見られます。自分の実力を客観視することは非常に勇気が要ることではありますが、現在の自分の立ち位置とゴールとの距離を明確にすることは超大事です。
*USMLE受験で模試は超重要!模試のについては過去記事「模試のオススメ」を参考に。
目安スピード:1日40問
Rxの復習はそれほど徹底する必要はありません。あくまでもRxはUWにスムーズに移行するためのステップに過ぎず、これを完璧にしても合格は近づきません。さらっと復習して再び模試を受けてください。。安いからと言ってRxのみで受験しようとするのは自己投資に関する考えが非常にまずいです。良いものにはしっかりお金をかけることが重要です。
目安スピード:1日40問~80問
いよいよ最重要問題集であるUWに移行します。ここから開始する人もいるでしょう。Rxを終えた方はrandomで解いてください。間違えた問題と正解したけど悩んだ問題にはチェックを入れましょう。また気になる問題はIDの控えておきましょう。後日検索するのは意外と大変です。
ここから開始される方は同様に臓器別・科目別で解いてください。社会人の一部がここから開始されると思いますが、その場合の正答率は大体40-45%に落ち着きます。もし40%を下回っている場合はほぼ勘で選ぶような消化不良状態になっている可能性が高いので、一度Rxに戻ってみることを検討してもいいかもしれません。ちなみにUWくらいの難易度の問題を初見で55%程度正解できるくらいの実力が合格ラインです。
UWを1周終えたら三回目の模試を受けてみましょう。NBMEとUWSAのどちらでも大丈夫です。
目安スピード:1日100問~
2周目も全問題を解くのが理想的ですが、もし時間がない場合はチェック問題のみ解いてください。正解したらチェックを外すのではなく、理解できたら外してください。チェックがなくなるまで徹底的に繰り返します。これを終えたら4回目の模試です。
公式発表はありませんが、2024年6月頃より問題の傾向が変わり行動科学の問題が増え、全体的に問題文が長文化しています。この傾向はCKでさらに顕著です。UWを終えても模試で65%を超えない場合はAmbossを利用されることもお勧めします。Ambossに関する詳しい情報はこちらの記事も参照にしてください。
直前期は基本的に暗記を徹底する時期です。具体的にはFAをさらっと通読し暗記していない部分を洗いだしていきます。そして、通読を終えたら覚えていない知識を徹底的に暗記していきます。
しかし、ここで忘れていけないことが2つあります。1つはUWの新問のチェックです。UWは日々問題が追加されていきます。UWの問題の性質上、新しい問題ほど本番に出やすい可能性が高いです。従ってUWを終えても、新しい問題が追加されていないかたまにチェックしてください。
もう一つがFree120です。所謂サンプル問題ですが、本番はここから出題されることもあります。公式ページから解くことが可能です。また本番と全く同じ形式ですので、事前にここでオリエンテーションを見ておくことも忘れないでください。またFree120は他の模試と一緒に受験することをオススメしてます。模試を連続で受験することで本番と同等またはそれ以上の長さの試験を体験することができます。
*直前期の過ごし方は過去記事「直前期でスコアを確実に10上げる方法」を参考にしてください。
ここでは1年間で合格を狙うモデルをご紹介していきましたが、個体差が大きくもっと早く合格を狙える人もいれば、もっと時間がかかってしまう方もいるでしょう。さらには残念ながら及ばない方もいるはずです。それは合格率から一目瞭然です。
大事なことは「情報を鵜呑みにしないこと」です。SNS上では「甘い情報」が溢れていますが、その情報が「蒼く」見える程、裏があるものです。地に足をつけてしっかり勉強してください。「半年で」「UWのみで」合格できて、「臨んだ形で」臨床留学できる人なんて本当に一握りです。諦めろと言ってるのではありません。とにかく情報の取捨選択に注意すべきだし、情報が溢れた時代だからこそその能力が顕著に大事なのです。
セザキングの実際のUSMLE STEP1受験スケジュール紹介(参考程度に)
➡模試:188
➡模試:209
➡模試:225
➡模試:238~256
➡本番:235/99(当時は二桁スコアがあり99が最高スコアでした。)
準備期間:Robbinsを開始してから3年、USMLEを開始してから1年3か月問題数:約11000問(問題集+模試)
*セザキングの詳しい合格体験記は過去記事「合格体験記」を参照。
*セザキングの生い立ちは過去記事「自己紹介」を参照。
USMLE STEP1受験に必要な費用
USMLE受験にはある程度高額な受験費用が必要です。合格に必要最低限の費用を計算してみました。
ECFMG申請費用:160ドル=24000円
受験費用:1000ドル+サーチャージ:195ドル=約180000円
FA:10000円
オンライン問題集(UWorld+USMLERx半年契約):480ドル+250ドル=約110000円
模試2回分:120ドル=18000円
合計:約34万円
*1ドル=150円で計算
以上となりましたが、実際にはこれ以外にも参考書を買ったり、模試を受けたりするでしょうし、受験会場への移動費やホテル代も考慮すると35万円以上かかるでしょう。
ここでは詳しく言及しませんが、本気で臨床留学を目指す場合に臨床の前に研究留学を挟むパターンがあります。その場合、お金が最大の肝となります。どうしても貯金を切り崩す必要があるからです。お金をどのように使い、どのように貯めていくか、所謂マネリテはここでも不可欠になるのです。ただ節約するのでは全く足りません。今のうちからその点を考慮しながらキャリア形成していく必要があるでしょう。
USMLE STEP1勉強法まとめ
STEP1受験は多くの方にとってUSMLEの最初の関門となります。合格にはある程度の時間や費用、そして努力が必要ですが、「正しい」方法で準備すれば合格は夢ではありません。あなたも「米国」医師国家試験に合格できるのです。但し、繰り返しますがそれは正しい情報を得て、継続できた場合に限ってです。
当ブログではSTEP1に限らず全てのSTEPに関する情報をどこよりも詳しく提供しております。他の情報が気になる方は、是非過去記事「当ブログのオリエンテーション」より検索してみてください。
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