対策後編
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さて、対策編の続きへ。今回は注目の「ガチ勢」の立ち回りについてお話します。
④ ガチ勢
ガチ勢の定義
さて、この④がとるべき戦略は①~③とは大きく異なります。ガチ勢は基本的に「意地でも良いレジデンシーに入り、後に良いフェローのプログラムに入ってアテンディングになりたい方々」を指します。Nプログラム狙いもここに含まれるでしょう。また、帰国子女の多くもこれに含まれ、彼らはアメリカに「帰りたい」と思う傾向にあり、アメリカに永住するためにやはりアテンディングを狙うことが多いです。
ガチ勢がとるべき戦略とは
では、そんなガチ勢がとるべき戦略とはいかなるものでしょうか。このクラスターでは、「マッチする確率を少しでも上げるために出来ることは何でもすること」が重要となります。しかし、労力とお金と時間は有限であるため、ある程度取捨選択することが必要となります。例えば、今後仮にCKの重要性が増したとしても、既にオンライン問題集を完ぺきにこなした状態で受けた模試の予想スコアが240だった場合、それを「250まで上げる労力」と、「コネを作るために奔走する労力」などのその他の努力を比較して勘案しないといけません。
USMLEのスコアには各人の上限がある
「その人にとっては普通に」準備した結果、STEP2CKで250を取れた人は、他の人にも「同じような努力をすれば250取れるよ」と伝える傾向にありますが。残念ながらそんなことはありません。数多くの相談者を見てきましたが、スコアには各人異なる上限があります。
単純暗記の要素が大きいSTEP1はある程度努力量が反映されやすいのですが、思考力(=総合的な臨床力)が問われがちなSTEP2CKはかなりスコアが伸びにくい印象です。それが故に、「模試のスコアが全然のびずに受験できません」という人もたくさん見てきました。つまり、ある程度のCK受験の準備をし成績がプラトーに達したなら、それ以上のスコアを伸ばそうとする努力はあまり費用対効果が良くないということです。
その場合、それ以外にまだ伸ばせる要素を伸ばしていくほうがリーズナブルです。野村元監督でいう、「弱者の兵法」かもしれません。「俺はスコアがよくないけど、すげえコネを作ってやるんだ!」という開き直りが必要ではないでしょうか。
ガチ勢、いや人生の勝算に必要な「足し算・引き算」
さて、上記のように考えるとガチ勢に必要なのは「各項目の足し算と引き算」ではないかと考えます。
この写真にように、マッチ(インタビューに呼ばれるために)に必要な各項目を優先順位が高い順に並べたグラフがあります。全てを確認するのは大変なので、重要かつ可変的な項目を以下のように抽出してみます。
・STEP1スコア
・STEP2CKスコア
・STEP3スコア
・研究実績/学会発表
・ボランティア
・STEP2CS合否
・英語力
・卒後年数
などでしょうか。当然ですが、これらの優先度には濃淡があります。暫定的に各項目に配点してみるとわかりやすいでしょう。
例えば、STEP1のスコアは100点満点(例えば230だとしたら70点に換算とする。)としたらSTEP3のスコアは20点満点、コネクションは200点満点のように配点してみます。これらの合計点で合否が決まると考えれば理解しやすいのではないでしょうか。ちなみに、これらの配点は僕が適当に付けたものなので参考に留めておいてほしいのですが、僕の中での各項目の重要度のイメージは以下のような感じです。また、足切りのみに使用される項目もあるとは思いますので、一概に足し算だけで評価ができるとは限りませんが、理解を容易にするため足切りはなく合計点のみで競争するとします。
各項目の配点(セザキングの独断と偏見による)
仮に以下のような点数の人がいるとします。
・STEP1スコア 70/100
・STEP2CKスコア 50/70
・STEP3スコア 10/20
・研究実績/学会発表 30/70
・ボランティア 0/30
・STEP2CS合否 80/80
・英語力 40/60
・卒後年数 50/70
合計点: 430/700
もし仮にUSMLEをすべて受験し終えているなら、今後USMLEのスコアを上げることはできないため、他の要素を上げることに注力することになります。しかし、いきなり研究実績を上げるのは難しいでしょうし、そのために時間をかけると卒後年数が大きくなり点数が下げかねません。であれば、あまり無理することなく上げることのできるボランティアを数回してみるとか、強力なコネを探すために国際学会にいくとか、基礎的な英語力をあげるほうがリーズナブルと言えます。つまり費用対効果が高いものに意識を向けて、各項目の数値を上げながら合計点を最大限上げるようにすべきです。
医学生の場合
また、一方でUSMLEを受験開始したばかりで、各項目の点数が殆ど確定していない医学生の場合はどうでしょうか。
・STEP1スコア 0/100
・STEP2CKスコア 0/70
・STEP3スコア 0/20
・研究実績/学会発表 0/70
・ボランティア 0/30
・STEP2CS合否 0/80
・英語力 20/60
・卒後年数 70/70
合計点 90/700
基本的にまだ何も準備できていないのであれば、英語力と卒後年数でしか評価できません。まだ学生なので「卒後」という表現には違和感がありますが、基本的には最高点としておいていいでしょう。さて、ここで今回の「USMLEの三大変更点」を考慮し、「STEP1スコア」を廃止し、「STEP1合否」に変更してみます。すると、恐らく今後STEP1の重要度は「USMLEの思惑通りに」下がるはずなので、50点満点くらいになるとします。1回目で合格したら50点、一度でも落ちたら0点です。
言わずもがな,学生はUSMLE以外の項目の点数も上げやすい立場にあります。例えば、在学中に国際学会でポスターを出せるように試みたり、研究にチャレンジすることもできます。英語力を伸ばすのもいいでしょう。そして、学生という立場を存分に利用して色々な人と出会いコネを作れるように頑張るのも手です。
如何に自分の強みを活かすか
このように項目を可視化してみるとやるべきことが明確になると思いますが、そうでなければUSMLEのスコアばかりに気を取られてしまいかねません。ただ、先ほどもお伝えしたようにスコアはある程度まで伸びると、それ以上は才能が必要となる世界となるため、もしスコアがあまり伸びないのであれば無理に勉強せずに、自分の他の強みを築いていくべきです。「成績が悪いから留学は諦めよう」ではなく、「他にどうやって強みを築いていこうか」と切り換える柔軟な発想が必要です。
このような発想は臨床留学に限らずとも大事なことです。どれだけ強く望んでも、誰もがその道で一番になれるわけではありません。世間は「王道」で一番になることを賛美する傾向にあります。それは一部の成功者だからこそ言えることであり、それが叶わずに辛酸をなめている人たちが数えきれないほどいるのです。例えば、誰もが勉強で一番になることができませんし、全員が世界一の外科医になることだってできません。であれば、自分にしかない強みを築いていくほかありません。1つの項目で勝負するのではなく、他の強みを伸ばして総合点をあげていくのです。これがいわゆる「弱者」がエリートに打ち勝つ方法だと信じています。
セザキングが学生に戻った場合の理想的プランを紹介!
さて、ここまで言えば既に今後の方針がクリアになっている人もたくさんいるはずです。しかし、それでもなおのこと「今後の具体的な方針を示してくれ」とか「STEP2CKは何点とればいいんだとか」質問してくる人がいますので、サービスで一例を挙げておきましょう。というか、もし僕が医学部3年生でガチでレジデンシーを狙うと想定した場合にどのような戦術で戦うか、という想定です。
こんな感じでしょうか。これはただ僕の理想を語ったのみに過ぎませんが、お伝えしたいことは「一つの項目に拘り過ぎずに、トータルで自分の魅力を伸ばしていきましょうね」です。つまり、「枝葉末節に捉われずに森を見なさい」ということです。
そもそもですが、「USMLEのスコアだけがよくて、コミュニケーション力が低かったり、英語があまり上手でない人に魅力を感じますか?」という話ですよ。もちろん、「やる気あります!」と言ってる人がSTEP1に落ちていたりすると面接側も「ほんまかいな」と思うかもしれませんので、他の項目に多大な影響を与えない範囲でUSMLEも頑張らないといけません。
まとめ:公式な情報以外の情報は全て憶測
さて、めちゃくちゃ長くなって疲れてきましたが、僕の考えはこんな感じです。あまりにも同じような質問が多いので再度お伝えしておきますが、USMLEの公式発表以上の情報はありません。公式情報以外は全て憶測なので確証はありません。詳細な発表が無い以上は「○○はどうなりますか?」という質問にも答えることはできません。
臨床留学ももちろん素晴らしいと思いますが、留学をしなくても素晴らしい人たちはたくさんいます。まずは各人が、如何にして「魅力的」になれるか考え、自分の強みを伸ばし、弱みを克服していってください。この記事はやや抽象的な表現も含まれているので、何度も読み返して真のメッセージを読解してくださいね。
ではまた!しーや。
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