USMLE:3大変更点
ハイ!ナイストゥミーチュー!セザキングです。
うむ、速報ですよ。速報。既に巷では超(?)話題になっているUSMLEからの発表についてです。以前より、「USMLEがpass/failテストになるかも」という噂、というか公式からの情報のちょいだしがありましたが、2月12日にUSMLEから正式に3つの変更点の発表がありました。
世間から「早く情報をまとめなさい!」という無言のプレッシャーを受けてせっせこと情報を収集し、僕なりの考察(この記事)を混ぜて、今後我々がどう対策すべき(次の記事)か考えてみました。
発表内容一部(原文ママ)
まずは発表された3つの変更点を原文のまま紹介します。
Today, the Federation of State Medical Boards (FSMB) and the National Board of Medical Examiners® (NBME®), co-sponsors of the United States Medical Licensing Examination® (USMLE®), announced upcoming policy changes to the USMLE program.
Changing Step 1 score reporting from a three-digit numeric score to reporting only pass/fail
Reducing the allowable number of exam attempts on each Step or Step Component from six to four
Requiring all examinees to successfully pass Step 1 as a prerequisite for taking Step 2 Clinical Skills
These policy changes are currently planned to be phased in over the next 11-24 months.
かなりショッキングな変更であるため、全国、いや世界の受験生を当惑させております。この3つの変更がこれからの11~24カ月のうちに実行されるということです。まずは事実のみを確認し、その後背景に存在する事情を考察していきたいとおもいます。
受験回数の上限が6回から4回に
① Reducing the allowable number of exam attempts on each Step or Step Component from six to four
➡各STEPの受験回数の上限が6回から4回になる
・4回には落ちた回数だけでなく、未受験(アプライしたけど期限切れのことか)も含む
・「何回も落ちる人が将来的にマッチして免許を取得できるとは思えない」ので受験回数を制限することで全受験者数を減らす
・2021年1月1日以降に発効される
・試験の威厳性を守る(※)
日本人にとって一番影響が小さいのがこの変更点です。そもそも同じSTEPを6回も受けた人なんか僕でも聞いたことがありません。しかし、このUSMLEサイドの「そんなに落ちる奴はどうせうまくいかねえよ」発言は結構辛らつだなと思います。笑
★考察
殆どの受験生には関係のない変更かもしれませんが、日本人に限っては影響はゼロではありません。不幸にもCSを複数回不合格になってしまう人はゼロではないためです。実際に4回落ちた人も知ってますし、4回目でなんとか合格した人も知っています。ただ、もちろん1回で合格するように努力する方針に変わりはないので、この変更に関してはさほど意識する必要はないでしょう。
さて、ここから少し考察を深めますが、本文に「protect the integrity of the exam」とあります。直訳すると、「試験の高潔さを守る」となります。これは「4回以内で受験生の実力を判断できる品の良い試験でありたいです」と意訳することもできますが、僕個人の考えとしては「受験生の質の向上」と「問題再現の防止」が恐らく狙いなんじゃないかと思います。
前者は凄く乱暴な言い方をすれば「アホは受けるな」ということです。受験を試みると分かると思いますが、受験生の数は意外にも多く、希望の日時と会場を抑えるのは中々困難です。それにより、「質の高い=賢い」受験生の受験が遅れてしまう、つまり医学生がレジデントに移行する過程を妨げているというように解釈できます。受験生の数を制限すれば、「質の高い」受験生がスムーズに受験できるようになると読んでいるわけです。そこで、USMLEサイドとしては最大限にオブラートに包み「protect the integrity of the exam」と表現したのではないかと思います。
さて、次に後者の「問題再現の防止」に関して言及します。UWorldと本番の問題がそっくりという事実から翻って考えるに、間違いなく誰かが本番の問題を暗記して、後日再現をしていると思われます。(NBMEからの流出はあり得ないでしょう)では、真剣勝負をしている受験生がそんなに正確に暗記ができるかというと中々難しいとおもいます。日本の国家試験と違い、紙ベースではくCBT形式であることも暗記しにくい要因でしょう。もちろん、予備校も受験生を含めた協力者に問題を暗記するようにお願いしていると思いますが、もし僕が潤沢な資金を持っていたとすれば、極めて暗記力が高いIMG(臨床を希望していない)を会場に送りこみ可能な限り受験させるでしょう。そして可能な限り本番に近い問題を再現し、それを問題集の骨格にします。
幸か不幸か、日本のCS受験事情は図らずしてそのような状態になっています。つまり、受験生が過〇問を再現してシャアし合うようになっており、特にCSは不合格者が多いためその方々の受験回数が増えて、再現の制度が上がり、より精密な〇去問がストックされているのです。
ということで、僕としては、USMLEは「いっぱい受ける人は免許取れないしどうせその多くは予備校の回し者でしょ」と考えてこの変更に踏み切ったのかなと勝手に思ってます。
STEP2CS受験にはSTEP1合格が必要
② Requiring all examinees to successfully pass Step 1 as a prerequisite for taking Step 2 Clinical Skills
➡STEP2CSを受験する条件としてSTEP1の合格が必要となる
・詳細は追って発表とし、この変更は2021年3月1日以降に発効となる
・CSを受験する受験生は一般的にSTEP1を受験、または合格しているため、CSの受験資格を過去にSTEPに一つでも合格している受験生に限定することで、「protect the integrity」する(またか。。。)
・そもそも実技試験の前に知識を問う試験を通過しておくもんやで
これまでにもSTEP2CSから受験する人はいましたが、殆どの受験生はSTEP1後にCSを受験していますので、この変更も我々日本人にはあまり大きな影響はないでしょう。もし、影響があるとすれば、学生短期留学中にCSを受験しようと思っている勢(殆どは帰国子女)くらいではないでしょうか。まぁ、これに関しては順序通り受験すればいいだけの話です。
★考察
さて、またもや「protect the integrity」と出てきましたが、ここで意味することも上と同様に「受験生の質の向上」になりますが、CSの受験事情は他のSTEPとはやや異なります。CS本番は1会場最大で24人しか入れないため、受験人数に制限がかかりやすいのです。そのため、受験しようと思っても最短で3か月後となることがざらです。そういう状況であるため、あるソフトを使って無理やりキャンセル待ちに予約をぶちこむサービスが成立するのです。
恐らくUSMLEサイドも「受験生多すぎやろ・・・」や「たまにめちゃくちゃ出来の悪い奴まじっとんな(=英語しゃべれへん)」と思っているに違いないので、可能な限り受験生を絞りたいのでしょう。こうやって彼らの「高潔」は保たれるのです。
STEP1がPass/Failテストに!
③ Changing Step 1 score reporting from a three-digit numeric score to reporting only pass/fail
➡STEP1の三桁スコアが廃止されPass/Failだけの判定になる
・この変更は2022年1月1日以降に発効されるが詳細は2020年末に発表。
・STEP1を変更しSTEP2CKの三桁スコアのまま継続することで全体的に良い変化をもたらすことを期待している(詳細不明)
・STEP1は本来、最低限の基礎医学知識があるかどうか判断するためのテストであったが、過度なUSMLE偏重主義により医学生が疲弊し、中々レジデンシーに移行できない傾向があった
・スコアを廃止し受験者を「全人的(holistic)」に評価することを狙っており、あくまでスコアは一つの客観的な指標に過ぎず、個人の特性や能力に焦点を当てる
大まかな内容はこんな感じです。3つのニュースの中でもこれが最も衝撃的でしょう。以下に、このような衝撃的な変更に至った背景を、僕の持ちうる情報から考察してみます。
★考察
本文にもありますが、USMLEサイドの「表向き」狙いを簡単に言うと
って感じでしょうか。確かにSTEP1のスコアはマッチングを受ける場合には非常に重要な要素となりますし、他者と簡単に自己を差別化できる客観的なデータとなっています。そのため、そのSTEP1に皆が注力するのも無理は無く、実際にその結果に受験生が一喜一憂しているのも事実です。
しかし、USMLEサイドの狙いが本当にそれだけかは不明です。そもそも「STEP2CKのスコアはそのままにすることで全体的にいい変化をもたらす」、と言ってるのもよく理解できません。STEP1がpass/failでSTEP2CKと3は三桁スコアのままということに違和感を覚えるのは僕だけではないはずです。
これまでに何度もこのブログでも「アメリカはIMGの流入に制限をかけている」と主張してきました。その代表がCSの難化であり、実際にそれに阻まれてきた日本人を多く見てきました。その流れを汲むのであれば、この変更もIMG流入を防ぐための布石と捉えることもできるのではないでしょうか。
従来、STEP1のスコアはIMGが示すことができる数少ない「自分を差別化しうる客観的指標」でした。つまり、アメリカ人でもないし、英語もネイティブではないし、訴訟リスクも高いなどというハンデを抱えながらも、「俺はこんなに賢いんやあ」と主張できる武器だったのです。そのスコア制度が廃止となれば、IMGの武器が一つ減ることになります。
学力に偏重していた制度が廃止されるとどうなるでしょうか。採用する側は他の指標から判断せざるを得なくなります。STEP1のスコアで足切りができないなら、CS落ちの排除を強化するかもしれませんし、CKの足切りがよりシビアになるかもしれません。
またアメリカ国内で言えば、学力から学歴偏重型に変わるかもしれません。その受験生の賢さを担保するものがテストのスコアでないのであれば、良いメディカルスクールを出ていることに重点が置かれる可能性もあります。しかし、アメリカ国外に目を向けてみると、彼らからしたら国外の大学の良し悪しなんて判断しようがありません。日本の大学なら「東京大学なら聞いたことあるかな」くらいでしょう。つまり学歴に偏重されるとIMGはマッチングにおいて不利になります。このようにIMGにとってのアピールポイントが減るということは、結果的にIMGの流入の妨げになりえるということです。
★考察のまとめ
以上のように3つの変更点から、その背景に存在する事情を考察してみました。さて、次の記事ではこれらの変更点と考察を踏まえて、我々日本人受験生はどのような対応をすべきか、という点に関してセザキング的な考えを展開していきたいと思います。今から書き出すから、ちょっと待っておくれや!
しーや。
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