挨拶
ハイ!ナイストゥミーチュ!Dr.瀬嵜です。
いつのまにか今年度も終わりですね。今年度は激動の一年でした。元々USMLEの教育はほそぼそと行ってきましたが、長崎の講演会を皮切りに一気に依頼があり、まさか毎週末講演会をすることになるとは思ってもいませんでした。
僕が大事にしていることは「誰かに求められる」仕事なんですね。
「これって自分じゃなくてもよくね」って思ってしまうとやる気がでないのです。まぁそういう人は多いと思うのですが。
というわけで自分のスキルが求められる講演会は僕としては大変充実した仕事となっています。
特にCSに関しては完全に職人の世界なので参入障壁が高く、それもあって非常にニーズが高まっているのかなと思います。
巷にUSMLE受験体験は溢れていますが、個人の体験を一般論に昇華しているサイトは多くありません。
「僕はこう思うからみんなもそう思うよね」というのは非常に危険であり、極めてバイアスのかかった情報となります。僕も注意しないと個人の意見・感想に偏ってしまうことが多々あるので気をつけていきたいものです。
今回はSTEP3受験に関する教材と模試をご紹介していきます!
STEP3受験に関する教材と模試
◎勉強方法・教材の紹介
STEP3は他の試験と異なり教材が充実していません。その理由は他の試験と比べて重要性が低いからでしょう。僕が実際に使用した教材は非常に少ないので、知人が利用していたものを含めて紹介していきます。
○FISRT AID
お馴染みのFIRST AID(以下FA)ですが、STEP1のFAのようには役に立ちません。理由としてはSTEP3の範囲が広すぎるためFAだけでは網羅的にはならず、FA全部を把握したところでSTEP3全体を把握することにはならないためです。むしろ参考書レベルを逸脱した問題も多く、現実的には問題集を解きながら知らないことがあればその都度覚えていくしかないと思います。僕もFAはたまに辞書として使った程度でした。STEP3受験のバイブルと言える本は無いのですが、敢えて参考書を一冊選ぶならFAでしょうか。
➡誰に聞いてもFAはあまり使えませんね。しかし、みんなとりあえず買ってはいるようです。改定も数年に1回なので、出版社も明らかにやる気がありません。
○UWORLD
STEP3合格に必要不可欠で最重要教材がUWORLD(以下UW)です。もはやこれ以外は必要ないと言っても過言ではありません。僕も受験までにこれを3周しただけです。
UWの良さは何よりもアップデートの速さにあると思います。STEP3は本当に範囲が膨大で、かつ非常に実践臨床に則した問題が多いため普通に学習をしていてはとても全出題範囲を網羅することができません。そのため頻出分野を効率よく学んでいく必要があります。
僕の受験本番ではUWで解いた問題と似たような(というか殆ど一緒)問題が何問か出題されました。ここから推察されるには、STEP3の問題が日々更新されていく中で、UWもそれに伴い(恐らく受験者が問題を暗記してUWにリークしている)更新を続けているため、本番ではUWと同じような問題に遭遇する可能性が高いのではということです。恐らくUWはその更新頻度が早いために、本番でかぶる問題が多いのではないかと思います。
僕は現在精神科の後期研修医という身分なので日常臨床で内科的・外科的な診療に関わることは殆どありません。一方、STEP3の問題の多くが内科的・外科的な臨床に関わるものです。日常的に臨床に携わっているものであれば常識的に解ける問題も、僕にとっては非日常なので新たな知識として学ぶ必要があるわけです。そんな不利な状況ではありましたがこのUWを3周しただけでなんとか合格することができました。
また実際に受験して分かったことですが、STEP3にはSTEP1やSTEP2CKの知識も求められるということです。例えば「この糖尿病薬の作用機序は?」なんて基礎的なことも問われます。STEP1受験したのはSTEP3を受験する5年以上も前であったため、基礎医学の知識は完全に忘却の彼方でした。そんな理由のため、みなさんはSTEP1やSTEP2CKからあまり長い時間を空けないで受験することを強く推奨します。ただそんな僕でもこのUWを3周しただけで何とか合格できました。つまり、皆さんも高得点を求めずに合格したいだけならUWさえこなせばいいというわけです。またCCSの練習ができるのはこのUWだけです。ここに掲載されている問題を何度も練習しましょう。
➡殆どの方はこのUWしかやっていないと思います。もし時間が許せばUWのSTEP2CKを復習してもいいかなと思いました。
*2020年1月追記
初日にはSTEP1形式の問題が2割程出題されます。準備をしていないと面を食らうことになるので、可能であればSTEP1(特にPharmacologyとMicrobiology)の復習することを推奨します。
UWORLDの問題を解きなおすのが理想ですが、余裕が無ければFAをさらっと見返すくらいのことはしておきたいです。
〇Master The Boards
僕は使っていませんが、Amazonでの評判は比較的良く、FISRT AIDだけでは物足りないと感じている方が選択されているようです。しかし実際はアップデート頻度も遅く、情報が古いことが多いようです。UWも終わって時間がある方のみ通読されてみてはいかがでしょうか。
➡使っている人いたら是非感想を教えてください。
〇MKSAP (Medical Knowledge Self-Assessment Program)
米国内科学会が出している教材です。アメリカの内科専門医を目指す方が使用されると聞いています。STEP3は各科の専門医試験の詰め合わせ(実際の専門医試験の難易度は不明ですがSTEP3が難しいのは確か。眼内のメラノーマの治療とか普通知らないでしょ。)という印象なので、UWだけでは物足りない方はこの内科専門医試験にチャレンジしてもいいかもしれません。参考書とオンライン問題集がセットになっています。しかし問題なのはその値段の高さ。なんと15万円以上します。僕のように内科の専門医になる予定のない方が手を出すには相当な抵抗があるでしょう。
➡アマゾンで売ってるのは教科書だけでしょうか。「MKSAPが対策に使えるかも」という話は聞くものの実際にやっている人は見たことありません。まぁ費用対効果が悪いのでしょうね。
〇KAPLAN Q BANK
使用していないので何とも言えませんが、使用者からの話によると現時点(2017年1月時点)では1ブロックが48問で構成されているそうです。問題数が多いため時間が足らなくなることが多いようですが、本番では1ブロックは38-40問で構成されているため現在のトレンドには沿ってないと言えます。基本的にカプランはいつもそうなのですが。
➡やったことある人誰もしらず。未知です。
*2020年1月追記
〇AMBOSS
最近STEP1対策で主流になりつつあるAMBOSSはSTEP3対策用の問題も着々と作り進めているようです。まだ完成しているわけではないようですが、今後重要教材になる可能性があるので追記しておきます。
◎模試
〇UWORLD
UWではSTEP3の模試を1種類だけ提供しています。しかし模試はマルチプルチョイスのみでありCCSは含まれません。STEP3で唯一3桁の予想スコアが出る試験となっています。本番よりやや難易度が高い印象でした。
➡結局CCSの模試がないので正確な評価は難しいようです。CCSは難しいものの、採点がやや甘いような気もするので本番は模試よりは少しだけ高めにでるような気がします。
また、本番でも模試の問題と酷似するものが出題されることがありますので、しっかり復習することを推奨します。
〇NBME
これもご存知NBMEです。NBMEも模試を1種類だけ提供しています。NBMEの模試ではスコアが偏差値(を10倍したようなもの)として表記されます。かなりシビアに評価される印象ですが、300を大きく下回ることさえなければ基本的には合格圏内ではないかと思います。
➡何故か三桁の予想スコアが出ません。かなりシビアな評価で僕の周りの人は受けたあとにみんな落ち込んでいました。笑
以上が教材も模試の紹介になります。
まぁ要約するとUWORLDやればいいよってことになりますし、みんなこれしかやってません。
あまりスコアにこだわらずにとにかく早く合格(7年以内に合格したほうが好ましい)することを目標にしてほしいなと思います!
では今回はこのあたりで!しーや。
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