MyIntealth:申請者が知っておくべき変更点と新受験申請方法まとめ【随時更新中】

MyIntealthMyIntealth

 MyIntealthとは何か?

挨拶とこれまでの経緯

ハイ!ナイストゥミーチュー!セザキングです。今回はUSMLE受験生が注目している「MyIntealth」について解説していきます。実は2024年初めに導入が検討されていましたが、技術的な問題で移行が上手くいかずに現行のシステムが継続されてきました。その後、音沙汰がなく完全に頓挫したのかと思われていたのですが、改めて2025年8月に移行することが決定しました。

是非、以前の記事も参考にしてください。

受験生混乱!?謎のMyIntealthの導入について

Dr.セザキング(瀬嵜 智之)
USMLEコンサルタント・合同会社U-Consultant代表
精神保健指定医
国立国際医療研究センター病院や亀田総合病院などの有名病院に精神科医として勤務。その後、日本人の臨床留学の夢を叶えるべく、一念発起しUSMLEコンサルタントとして独立・起業。YouTubeやTwitterなどを通じて精力的に情報発信をしている。著書「Dr.セザキング直伝!最強の医学英語学習メソッド」医学書院はAmazonでベストセラー1位を記録。

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MyIntealthとは

2023年、ECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)は申請業務を一元化する目的として新しいオンラインプラットフォーム「MyIntealth」をリリースすることを発表しました。そして、紆余曲折を経て2025年8月にそれが本格移行となったのです。

MyIntealth

今回の移行により、以下のようなサービスが統合されることになります。

IWA(Interactive Web Applications)
OASIS(ECFMG申請状況確認)
EPICポータル(資格証明提出)

従来のように手続き毎にプラットホームを変える必要はなく、「すべて1つのアカウントで完結でき、申請状況・支払い・書類提出・認定手続きなどがシームレスに行える」というのが公式発表による目的のようです。確かに手続きは非常に煩雑なのですが、それは一つ一つの手続きが面倒くさく時間がかかるからであり、これまでにたった一度も「プラットホームは複数あって困る」と言う声は聞いたことがありません。果たして本当にこの変更は受験生にとってメリットがあるのでしょうか?

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💰 新旧費用比較:いくらかかる?どこが変わった?

今回の移行に伴い料金体系が大きく変更されました。よく見ると2023年発表時からもマイナーチェンジしているようなので細かく見ていくことにしましょう。

項目従来制度(Current)MyIntealth
MyIntealth アカウント作成費N/A *公証に$50$100*
ECFMG Certification 申請費$160$560
学歴・卒業証明の認証費N/A$200
USMLE Step 1 受験料$1,000+205(サーチャージ)$695+205
USMLE Step 2 CK 受験料$1,000+230(サーチャージ)$695+230
Pathways$925$925
合計$3,570$3,610

*Includes $50 NotaryCam fee for online notarization of the identification form.

上記が新旧費用対応表になります。公式発表されている表を日本人向けに作り変えてみました。

①MyIntealth Account Establishment(MyIntealth アカウント作成費)

当然ながらこれは以前は必要のないプロセスでした。ただ、この100ドルには従来でも必要であったNotaryCamによる公証料金(50ドル)も含まれるようです。ID作成後(メールアドレスと名前の登録後)にアカウントの作成(本人認証)が可能となりますが、その際に後ほど紹介する「顔写真」と「パスポート」が必要になります。ここは旧システムとの大きな変更点であり、以前はこのタイミングでは書類は求められませんでした。新たに登録される方はこれらを事前に準備する必要があります。

②Application for ECFMG Certification(ECFMG Certification 申請費)

ご覧の通りECFMG申請費用は爆上げ(160ドル➡560ドル)となりました。その一方で受験料は安くなっており、トータルでかかる費用は微増というのが公式の主張です。しかし、当然ながら申請者全員が完遂する(ECFMGを取得する)ということは現実的ではないので、「参加費」を高めに設定して早い段階で全員から徴収するほうが実入りが増えるという狙いがあるような気がするのは僕の邪推でしょうか。

③Verification of Credentials for ECFMG Certification(学歴・卒業証明の認証費)

これは②とセットの手続きとなります。表には「200ドル」とありますが、厳密には在校生と卒業生で異なります。ただ在校生も卒業後には同様の手続きが求められるため、「最終的に結局200ドルはかかるよ」という意味で表には200ドルと記載しました。この200ドルには内訳があり、卒業証明書と成績証明書の確認で各100ドル費用がかかり、合計で200ドルとなります。恐らく従来は受験料にこれらの手数料が含まれていたが、今回の変更で細分化されたということでしょう。

ちなみにこの表には記載されていませんが、IMGにはもう一つの罠があります(と思われる)。これらの資料が英語ではない場合に、従来とは異なり「自動的に」翻訳会社を通じて翻訳され、1ページ毎に52ドルかかるようです。これまでも受験申請時に卒業証書の原本と英語版の提出が求められてましたが、今後も同様に提出する必要があります。英語版が手元にない場合は、基本的に大学に発行を依頼するか、プロの翻訳会社に翻訳を依頼することになります。今後も同様の流れかと思いますが、公式HPの記載上は原本のみを提出した場合は自動に翻訳されて課金されるとあります。この点については今後実際に受験者にどのように課金されていくのかを調査していきます。

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④Examination(USMLE Step 1 /2CK受験料)

この受験料が大幅に減額されたのが特徴的です。今までこの受験料にあらゆる手数料が組み込まれているというどんぶり勘定になっていたようですが、前述の通りそれらが細分化されたということになります。この受験料に加えて、受験地によってはサーチャージが付加されます。日本の場合は表に記載した通りで、STEP1では205ドル、STEP2CKでは230ドルものサーチャージが追加徴収されます。ちなみに数年前までは日本のみ500ドルくらいの謎の高額サーチャージが必要でしたが、今は他国と同じような料金に置き換わりました。あれなんだったの(笑)

また敢えて表には記載していませんが、当然ながらECFMG取得のためにはOETの合格も必要になりますし、他にも教材の購入が必要となります。年々増額されていきますので、計画的に資金の準備もしていく必要があります。

⑤Pathways

STEP1とSTEP2CK、OET合格後にはPathwayを通じてECMFGを取得することになります。このプロセスと料金に関しては特に以前との変更点がないので割愛させて頂きます。

以下の記事も参考にしてください。

USMLE概要⑪~Pathwayとは?長く続かない?~

📝 申請プロセスの流れ

各種手続きに関してもMyIntealthに移行後には様々な変更が入ってます。以下のPDFにめちゃくちゃ詳しく申請方法が記載されていますので、この通りに進めていけば問題ないかと思います。

https://www.ecfmg.org/myintealth/applicantguide.pdf

本当に詳しく書かれており、僕がここでこれ以上に詳しく解説する必要はないかと思うので、この記事では注目すべき変更点についてだけ触れていきます。

STEP 1:MyIntealthアカウント作成

最初のSTEPはメールアドレスの登録と、名前や住所等の個人情報の入力です。これを終えると本人確認書類の提出が求められますが、以前はUSMLE受験申請時に提出していました。また顔写真の提出が求められるのは初めてのことです。

ここでは顔写真とパスポートのスキャンを同時に提出します。写真には要件があり、それを満たす必要があります。

写真要件
・正面・無表情、目を開けた状態
・明るく高解像度、背景は白系単色
・6ヶ月以内に撮影されたもの
・JPEG/JPG形式、10MB以下

これから新規でアカウント作成する方は事前に「顔写真」と「期限が切れていないパスポート」を準備されてください。

これを終えるとIIF(Intealth Identification Form)がPDFとして発行されます。このIIFを用いてNotaryCamによるオンライン公証を行います。ここは以前と変わりなく、ビデオ通話でパスポート・本人一致を確認します。これを終えるとアカウント作成が完了し、ECFMG申請ができるようになります。公証費用を含めて、このプロセスでは100ドル支払う必要があります。

STEP 2:ECFMG Certificate申請

USMLE受験申請前にECFMG Certificate申請を行う必要があります。ご存知の方もいると思いますが、基本的に米国で臨床行為をするためにはこのECFMG Certificateが必要になります。USMLE・OETに合格し、Pathwayを通じて受理されると最終的にはこれが紙の証書として発行されて自宅に届きます。つまり、この段階では「ECFMG Certificateを取得するためにレースに参加します」という意志表明みたいなものです。当然、申請しただけでは証書は得られません。そして、その参加には費用(560ドル)がかかります。このプロセス自体は以前からありましたが、その費用は大きく変更となっています。

またここでは「より詳細な本人確認」が行われます。卒業生の場合は申請時にDiploma(卒業証書)を提出(アップロード)する必要があります。また同時に英語版の証書の提出も求められます。以前との変更点は、以前はこれらの書類は「USMLE受験申請時」に提出する必要がありました。要は前倒しとなったということです。英語版の証書が無い方は、「大学に証書の作成を依頼する」または「プロの翻訳会社に翻訳を依頼する」の二択から選ぶことになりますが、殆どの大学では対応してもらえないので結果的に後者を選択することになるでしょう。

今回の変更後には「英語でない書類は自動的に翻訳されて課金される」という文言も見られます。

ここの解釈が難しいのですが、恐らくこれは受験者が提出する書類だけではなく、大学側がECFMGに提出する書類も含まれると考えられます。大学側がちゃんと英語の書類をECFMGに提出すれば問題ないと思いますが、それが日本語だった場合に自動的に受験生に対して翻訳費用が発生するということでしょう。これは以前になかった課金ポイントかと思われます。

STEP 3:USMLE受験申請

ここは受験料が変更された以外は特に変更点はありません。ここで受験期間や受験地域(日本、アジアなど)を決定しますが、従来は変更毎に書類を申請する必要がありました。今後はこのMyIntealthにてもっとスムーズに手続きが行えるようになっています。先程紹介したPDFを開き、「region change」や「period extension」のような単語で検索をかけると該当する箇所が見れるので、そちらの指示に従って手続きを進めてください。

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まとめ

今回は新システムMyIntealthに関する記事をお届けしました。正直、開始したばかりでまだまだ分からないことばかりですが新たな情報が判明し次第、随時更新していきます。総括としては、「多少便利になったが、その分参加費がかなり増額となり、受験生の(心理的なものを含む)負担は増えた」という感じでしょうか。これまでのUSMLEの動向を見ていると基本的に経済的に利があるような動きをしています。(ビジネスなので当たり前)

今後これ以上に大幅に便利になることは考えにくいので、恐らくサービスレベルそのままに徐々に増額されていくと思われます。手続き後には特に期限になく受験できるようになるため、もう受験予定の方は早めに手続きされることをお勧めします。

受験生は様々な変更に対応に追われて大変かと思いますが、結局のこの界隈で最も大事なことは「気合と継続」です。日々、淡々とやるべきことをやっていきましょう!

それではまた、しーや。

 

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