USMLE概要⑨:2023年問題について *2023年加筆・修正

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ECFMG2023年問題

ハイ!ナイストゥミーチュ!今回は2023年問題の最新情報を得たので情報を更新します。過去記事に加筆修正する形で進めていきます。

本記事について
ECMFGの2023年問題に関する質問に回答しています。コロナの影響で今や2024年問題になった「2023年問題」のことがざっくり理解できるように解説しています。USMLE受験生は絶対に理解しておいて欲しい問題です。記事内では沢山の「2023年」という単語が出てきますが、基本的に「2024年」に置き換えて読んでください。
Dr.セザキング(瀬嵜 智之)
USMLEコンサルタント・合同会社U-Consultant代表
精神保健指定医
国立国際医療研究センター病院や亀田総合病院などの有名病院に精神科医として勤務。その後、日本人の臨床留学の夢を叶えるべく、一念発起しUSMLEコンサルタントとして独立・起業。YouTubeやTwitterなどを通じて精力的に情報発信をしている。著書「Dr.セザキング直伝!最強の医学英語学習メソッド」医学書院はAmazonでベストセラー1位を記録。

以前に2023年問題に関する質問が来たのでそれを再度紹介します。

USMLE概要⑮:受験資格と受けられる大学~2023年最新版~

質問内容

質問者は匿名希望さん。以下原文。

Q-AssistのUSMLEの動画を見させて頂き、どうしてもお聞きしたいことがありメールさせて頂きました。
動画にて2023年問題についてお話されていました。
私は最近USMLEに興味を持ち、受けてみたいと思ったのですが、
現在5年次(旧カリキュラムで50週の実習)でかつあまり英語が得意ではないため
2023年までにUSMLEの試験を合格できそうにないと感じております。
調べたところによりますと、Step1合格後7年間有効期限というものがあるようなのですが、これは2023年以降も有効期限内であれば他の試験(Step2以降)を受けられ資格を取得できるのでしょうか。
それが不可能だとすると今から対策を行えば2023年までに合格することは可能なものなのでしょうか。
初歩的な質問で申し訳ありませんが、お答えいただけると幸いです。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。」

ふむ。5年生からの質問ですね。回答していきましょう。

 

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2023年問題に関して

質問者様は2023年問題と7年ルールで混乱されているようだ。これらは全く別の問題である。

*2023年問題について

みなさんはECFMGの2023年問題について聞いたことがありますか。恐らく皆さんの大学でも徐々に実習期間が長期化し、それに伴い座学期間が短くなりタイトなスケジュールになってきているものと思います。それは大学がただ学生をいじめようとしているわけではなくこの2023年問題が皆さんの大学生活の様々な分野に関係しているのです。

実習期間の長期化は2023年問題に関係している。

それはECFMGが2023年以降に医学部を卒業するUSMLE受験生はある一定の評価基準を満たした大学を卒業していなければ受験資格を得ることができなくなるというものです。2023年現在では、日本のどの医学部を卒業または所属していても自動的にUSMLEの受験資格を得ることができますが2023年以降では基準に適合した医学部を卒業した者しか受験資格を得ることができません。

2023年以降はECFMGが認可した医学部を卒業しないとUSMLEを受験できない

その基準とは、非常にざっくり言うと「ちゃんとした教育をしていますか?」ということなりますが、自己流では全くダメでECFMGが設けた基準をクリアしている必要があるのです。この「ちゃんとした教育」が後述する「不正入試問題」にも強く関係してくることになります。

ECFMGが世界の医学部に課している基準の1つが「実習時間が72週以上であること」なのです。この基準を満たすためには従来の実習期間をかなり延長する必要があります。ただやみくもに長期化することに意味はありませんし、延長した以上はそれが充実するように各大学が努力する必要がありますが、この延長傾向にはこのようなバックグラウンドがあることを知っていただき、かつ日本の医学部教育がUSMLEの影響を受けているということを理解して頂けたらと思います。

7年ルール

また7年ルールは全く別の問題です。ざっくり言うと「USMLE STEP1またはSTEP2CKに合格した時点から7年以内にECFMGを取得しないと最初に受験したっ試験結果は失効する」というものになります。以下の記事も参考にして下さい。

USMLE概要⑩~7年ルールの本質とは~
ハイ!ナイストゥミーチュ!セザキングカフェです。カフェ? 講演会の予定が続々と立ってきておりますのでまた随時お知らせしていきます。 一応現時点で確定している...

2023年2月追記事項

徐々に情報が更新されているのでここで追記しておきます。

・2024年1月1日以降はECFMG Certificateの取得を申請する時点で在籍する医学部がJACMEに認証されていないと受験資格が無い
・2024年より前にECFMG Certificateの取得を申請しておけば2024年以降もUSMLE受験は可能
・既にECFMG Certificateを取得している人には影響は無い

ざっくり言うと、このような発表がありました。「2024年前にアプライしておけばOK」というのは結構いい情報なんじゃないかと思います。なんとなく、「ECFMG Certificate feeの145ドルを払ってほしい」だけなんじゃないかと邪推してますが・・・。

東京医大認証取り消し問題

さて、2023年問題に関連して「東京医大の不正入試問題」についてもお話します。

さて認証取り消し問題」とはいかなるものなのか?

以前にあるニュースが報道されました。東京医大認証取り消しというものでした。しかし、この文章だけでは全体像が全く見えてきません。そこで僕が知る限りの情報を基に現状を分かりやすく説明してみようと思います。

まずは上記の文章をより詳細なものしてみましょうか。

「東京医大は2017年4月にJACMEに国際基準を満たす教育機関として認定されたが、今回の不正入試問題が原因でその認定は取り消しになった」

ということになります。

復習ですが2024年以降は世界医学教育連盟(WFME)が認定した教育機関でなければECFMGを取得できない(=そのために必要なUSMLEを受験できない)ということが決まっております。

 

*ECFMG:アメリカ国外の医学部を卒業した者がアメリカで医師として働く場合にそれを認可する機関。USMLE STEP1,2CK,2CSに合格すると自動的にECFMG Certificateが発行されるが、医師免許とは異なる。またアメリカ人でもアメリカ国外の医学部を卒業した場合にはECFMGに認可を受ける必要がある。

この日本の医学部の認可はWFMEが直接認証を下すのではなく、WFMEは日本医学教育評価機構(JACME)にその認証を委託し、JACMEが直接医学部を評価しています。

例えば実習期間72週以上などが認可条件となっておりますが、結局言いたいことは「ちゃんとした医学教育やっとりまっか?」ということです。

だから「不正入試をしている医学部=ちゃんとした教育してないっしょ」という判断をされ、認定が取り消しになったということでしょう。では「USMLEを受験できないのか」と問われれば、答えはイエスでもあり、ノーでもあります。

上記したように2024までにECFMG Certificateの取得を申請さえしてしまえば2024年以降もUSMLEの受験は可能です。また、一旦取得したECFMGは失効しません。そのため、2024年よりも前にECFMG Certificate取得申請してしまえば東京医大の学生・卒業生も問題なくUSMLE受験が可能です。しかし、2024年以降にも東京医大生がUSMLEを受験できるようになるためにはJACMEの再認定を受ける必要があります。現在JACMEは全国の医学部の評価をしている最中です。再認定される可能性は高いと思いますが、その時期に関しては不明です。

まとめると、

「将来臨床留学する可能性がゼロではないのであれば2024年より前にECFMG Certificateをアプライしておいたほうが良い」

ということになります。また、実は一度認証されたとしても7年毎に再認証を受ける必要があり、各大学は7年毎に点検していかなければならないのです。

JAMCEのHPでは各大学の審査の報告書・認定状況を確認することができます。是非、在校生も社会人も大学院生も各自の大学の状況を確認してみてください。

一般社団法人 日本医学教育評価機構 (jacme.or.jp)

なんだか、ツギハギな感じの少し読みにくい記事になってしまいましたが上記の情報を参考にしてもらえたらと思います!では、しーや。

USMLE概要⑩:ECFMGの2023年問題は2024年「頃」問題へ

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