質問コーナー㉚~私、東京に出ていくべきですか?~

質問コーナー

質問コーナー㉚

ハイ!ナイストゥミーチュー!セザキングです。今回はUSMLEとは無関係の記事をお届けします。久しぶりのお悩み相談になるのですが、実はこういう人生相談系の質問こそ熱が入ります。(笑)。というのも、僕はUSMLEの情報だけを伝えたいのではなく、USMLEを通じて人生の充実感を味わってほしいと思っているからです。つまり、USMLEというのはあくまで充実した人生を実現するための手段の一つであって、最終目標ではないのです。人生の充実が目標であるのであれば、その山頂に向かう道は無数にあり、その一つがUSMLEであるということです。なので、人生相談というのは、その人が山頂に向かうことをお手伝いすることになるわけですから、僕の本望というわけなのでございます。

さて、まずは質問者から頂いた本文をご覧ください。今回の質問は就職(進路)・結婚(恋愛)、そして家族がテーマになっており、幸せになるためには避けることのできない要素ばかりです。セザキング個人の考えをお伝えしたいと思います。

質問文

突然の長文失礼いたします。医学科5年の者です。
USMLEと関係ないのですが、人生相談があります。

将来医師として働く上で、関東圏に住みたいですが、親に反対されています。セザキング先生のご意見をお聞きしたいです。

バックグラウンド
・女子医学生
・地方国立大学
・一人暮らし
・親が開業医
・将来の希望診療科は内科・小児科
・就労義務年限などの制限はありません
・彼氏はいますが、彼にも特に縛りはありません。
 彼のご実家は非医療系です。

関東圏に住みたい理由
⑴自分のキャリア・子供の教育・享受できるサービスの選択肢が広い。
⑵遊ぶ場所へのアクセスが良く余暇が充実しやすい
⑶地方よりも学閥が少ない大学が多い。
⑷学閥の範囲が狭い大学を選べば、引越し・異動範囲が小さい

などです。

親が反対する理由
⑴子育てを助けてあげられない
⑵親が開業している医院を継承しにくい
⑶関東圏は誘惑が多い

などです。

客観的に先生から見て、私が関東圏で医師として働くことは賢明な選択肢でしょうか。ご意見いただけますと幸いです。

回答

英語のエッセイ如く、結論からお伝えしましょう。「出ていくべき」です。その理由を一つ一つお伝えしていきましょうか。

読者の皆様もこの質問文を読めば気づくと思うのですが、この質問者(Aさんとする)は非常に聡明な方なのです。僕は毎日のように色んな方から質問を頂くので、その質問文を見ればその人の(特にUSMLEに関する)予後予測ができるようになりました。上記のような分かりやすい文章を書くのは簡単なことではなく、日本語に自身の無い人はAさんの文章を参考にされるのもいいかと思います。

まず誤字・脱字が殆ど無く、句読点の位置と量が適切。そして、僕が質問に答えやすいように、詳細なバックグランドと関東に出ていきたい理由と、それを反対する親の理由を記載してくれています。自分の思いを相手に正確に伝えるためには、それなりの言語力と想像力が必要なのです。

しかし、驚かれるかもしれませんが聡明であるがゆえにこの悩みが生じていると僕は思うのです。ここでお話しすることは僕個人の考えであって、決してそれが全て真実とは言いません。そのことを念頭に置いて聞いてください。

聡明であるがゆえの悩み

前提として、人の意識には自分で意識できる「顕在意識」と普段はアクセスできない「潜在意識」がある、とします。この潜在意識は所謂直感とか心の声と呼ばれるもので、その人を正しい方向に導いてくれるコンパスのようなものです。多くの方も「なんとなくそうしたほうが良い気がする」とか、「この大学に入る気がする」とか、「何故かこの人と結婚しそう」とか、そんな感じことをふと思ったことがあるのではないでしょうか。それがまさに潜在意識のようなものです。しかし、そのコンパスは常には見ることができません。

一方で、顕在意識は理性とも表現できるように人間を人間足らしめている意識ではないかと思います。「計算上このほうがいいだろう」とか、「社会的に・・・」、「常識的に・・・」というように、あくまで理性的な考え方を好み、むしろ本能的な欲求を遠ざけるような傾向にあります。これが人を人たらしめているのですが、あまりにも理性的に生きると心の声が聞こえなくなってしまうのです。そして、その声を無視していると必ず無理が生じるものなのです。

僕の経験談

僕のことを少しお話しましょう。USMLEコンサルタントとか、医師とか、精神科医という肩書から判断して、僕は非常に理論派な人間だと思われがちです。しかし、実際にはそうではなく、理性的に考えて、直感を信じて選択・行動しています。初期研修後にフリーターになることを決意したことは直感で行動した典型例であって、「一般的には初期研修がおわったら後期研修をするよね」という一般常識を無視した行動なのです。振り返ると、まさに最良の選択をしたと思っています。

未だに覚えています。仕事で疲れ果てたある日、ふとスマホを見ると0時を過ぎていました。それでもご飯を食べに行こうと食べログでお店を探していると、タクシーでいける距離に深夜営業しているイタリアンを見つけたのです。(ちなみにSMCのオフ会はここを会場としている)席につくなり「とりあえずスパークリングワイン」と注文し、それを口にし、数分たった時のことでした。「あ、後期研修やめてCSの勉強しよう」と心の声が聞こえたのです。恐らくお酒によって理性がゆるんだからでしょう。それこそが本当に自分のしたいことだと気づいたのです。その決断後にも、思いなおす自分がいたり、その決断を心配する人や引き留めようとする人がいました。しかし、心の声に従うという決断が揺るぐことはありませんでした。

理由はいつも後付け

さて、Aさんの話に戻しましょう。この文章をよく読むのではなく、ふと上から見下ろした時に思いました。「Aさんは心の奥から東京に出たいと思っているが、その欲求を高い理性的な力で4つの理由として言語化したのだろう」と。恋愛に置き換えると理解しやすいと思いますが、誰かを本気で好きになったとき、「○○だから」という理由はいつも後付けではないでしょうか(結婚適齢期の打算的な恋愛は除く)。それに近しく、Aさんはもう理由もなく東京に憧れを持っている。しかし、「なんとなく」と言うのはあまりにも周りに説明するには説得性が及ばず、その理由を言語化してみたのではないかと思います。

そう思うもう一つの理由は最初の挙げた「子どものサービス」云々です。はっきり言って親元を離れて都会で子どもを育てるのは非常に大変です。保育園を探すことだけでも一苦労です。そして、地方のほうが優しい人が多いとも思います。そして子どもの育てやすさは、実際に東京での生活を経験しなければどちらがいいとか言えないと思うのです。僕個人としては、地方のほうが絶対育てやすいと思う。特に子供が小さいときはね。そんな中、それを「最初の」理由にしているのは、「耳で聞いた話」をもっともらしい理由にしている気がするのです。一方で、二つ目の控え目に書いた「遊び」は嘘偽りない気持ちのように思えます。

そして、親御さんが反対する理由も色々とあるようですが、背景には「自分達が」不安だからという生理的なものがあるのではないでしょうか。確かに両親は大切にすべきです。これは自戒の念でもあるのですが、その一方で自分の人生を充実させることは何にも代えがたいほど重要なのです。

老人の9割が後悔していること

詳しい話は忘れましたが、学生時代にある本で見かけた一説が未だに忘れられないのです。

アメリカの高齢者達に質問をした。彼らは今わの際にあり、もうすぐ死を迎えようとしている。

「今回の人生を振り返り後悔していることはあるか?」

「それは挑戦しなかったことだ。」

なんと9割がそう答えたそうだ。多感な時期の僕は改めて思った。「挑戦して後悔のない人生を送りたい」と。それがUSMLEにも、この仕事にもあらゆるところに繋がっている。そして、この選択に後悔など無い。

僕はAさんに「後悔の無い人生を歩んでほしい」と思う。そういう人生を送ることで、人は幸せになり、そして他人に優しくなり、周りの人を幸せにするのだと思う。万物には必ず最期がやってくる。人生は究極の自己満足だ。とにかく、心の声を無視しないことだ。

心の声を聞く方法

最後に、心の声にアクセスする方法を少しだけお話しよう。難しいことではないし、知らずのうちに多くの人がやっていることでもある。

まずは、運動。村上春樹氏も走りながら考えるという。不思議なことに人は「動的な状態」にあるときにはネガティブな考え方ができないようになっている。筋トレでも良い。

誰かに話す。相談とは「人に答えを求めるもの」ではなく、「人に話すことで自分の考えをまとめる」ことに意義がある。壁打ちの壁みたいなものだ。

読書。読書は、著者との対話であり、内なる声との静かな対話でもある。人は忙しいと読書から遠ざかるが、実はそれが心を荒げる理由にもなる。悪循環だ。

そして、瞑想。瞑想と聞いて、ただの非科学的なものだと思うならもう僕から言うことは何もない。僕の知り合いの経営者の多くは瞑想をしているし、していない人も上記のどれかを必ず習慣化している。やり方はたくさんあるので自分で調べたほうがいいが、キーは呼吸にある。僕もたまにやる。

USMLEは「人生を充実させる手段」に過ぎない

ここまでにセザキングのまさに「セザキング的な」考えをお伝えしてきた。結構熱の入った文章になったかと自負しているのだが、それは「こういうことこそが僕が皆に伝えたいこと」だからだ。

普段は「USMLEを通じて」人生を充実させる重要性を説いているに過ぎない。勉強は大事だが、人生は勉強だけではない。大事なことはたくさんある。

だから、そんな大事なことを無視してUSMLEを勉強しているなら、一旦立ち止まったほうがいいとさえ思う。USMLEコンサルタントなのに。

「悔いのない人生」

この壮大なテーマを改めて考えてみて欲しい。

今、あなたは悔いない人生を生きているのだろうか。

しーや。

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