USMLE STEP2CS対策・勉強方法まとめ
ハイ!ナイストゥミーチュ!Dr.瀬嵜です。
今回はUSMLE最難関「STEP2CSに関する情報のまとめ」をお届けしたいと思います。STEP2CS対策はとにかく戦略建てが大事!!ここで大よその枠組みを掴んで頂き、気になる情報の詳細は各記事を参照にしてください!
「STEP2CS対策まとめ」のポイント
2:STEP2CSの評価項目3つを把握しよう!
3:SEP合格に必要な6大条件をマスターしよう!
まずは受験に必要な情報が沢山あるので整理していきます。
USMLE概要
USMLEとはUnited States Medical Lisencing Examinationの頭文字をとったもので読んで字のごとく「米国医師国家試験」のことです。
USMLEはSTEP1、STEP2CK、STEP2CS、STEP3の4つの試験で構成されています。
STEP1:日本でCBTに相当する試験。基礎医学から出題される。この記事ではSTEP1に関する情報をお届けします。
➡STEP1のまとめ記事はここから!
STEP2CK:clinical knowledgeの略。日本で国家試験に相当する試験。臨床医学から出題される。
➡STEP2CKのまとめ記事はここから!
STEP2CS:clinical skillsの略。日本でOSCEに相当する試験。USMLEの中で最難関。
➡今回はSTEP2CSのまとめ記事をお届け!
STEP3:医学部卒業後に受験する試験なので日本では相当する試験なし。
STEP2CSの試験構成
CSでは米国の医療現場で一般的な診療を行う能力があるかどうかを評価します。実際には模擬患者に対して問診や診察を行い、その後カルテを作成します。
Patient encounter (PE)15分:模擬患者(Standardlized Patient:模擬患者、以下SP)に問診・診察などの一連の流れを行う
Patinet note (PN)10分:カルテ作成
CSでは1ケース=PE+PN 25分を1日で12回繰り返します。そのため25分×12ケースで合計300分の試験になります。
PNは各パートに細分化され、
①Doorway information
→ドアに貼り付けてある患者情報を読み取る
②Taking history
→問診
③Physical examination
→身体診察
④Closing the interview
→診断や検査について述べる
この4つに分かれます。この一連の流れを15分で行います。
STEP2CSの開催時期と受験会場
1年中受験可能ですが、開催日が決まっているので毎日というわけではありません。アメリカの5つの試験会場で受験可能です。日本では受験できません。
①ロサンゼルス
②シカゴ
③フィラデルフィア
④ヒューストン
⑤アトランタ
この5つの中で絶対的におススメなのがロサンゼルス!
理由は
・アジア系の移民の英語に慣れている人が多いためリスニングしてもらいやすい
・殆どの日本人がロサンゼルスで受験するため情報交換しやすい
・比較的日本から近い
の3つとなります。そのため特別な理由がない限りはロサンゼルスで受験することを強く推奨します。
またオススメの受験時期は2-3月です。これも似た理由になりますが、多くの日本人がこの時期に受験するため試験情報が得やすく、またIMG(アメリカ国外の医学部卒業生)が多いため英語の評価が相対的に下がりにくいです。
しかし、CSの試験会場、特に人気のロサンゼルスは3ヶ月前には予約で埋まってしまうためかなり早めに予約しておく必要があります。
裏技として業者に頼んで直前に予約を取ることも可能なので是非参考にしてください。
STEP2CSの受験方法
受験申し込みはオンラインのみ
現在はオンラインのみで受験申し込みが可能です。詳細は「受験方法」の記事を参照にしてください。試験会場をアメリカで選ぶ必要があること以外には、基本的には他のSTEPと同様です。
STEP2CSの評価項目
STEP2CSでは他のSTEPとは異なりスコアが存在しません。その代わりに3つの評価項目により採点されます。この3つの評価項目全てで合格する必要があります。公式発表はありませんが、ここ最近の日本人合格率は3~4割程度ではないかと予想しています。
1.Communication and Interpersonal Skills
→いわゆるコミュニケーション力です。CISで落ちることはほとんどないので特別な対策は必要ありません。
2. Integrated Clinical Encounter (ICE)
➡鑑別診断力とカルテ作成能力です。しかし、鑑別診断をするためには情報収集をする必要があり、そのためにはリスニング力が必要です。
3. Spoken English Proficiency (SEP)
➡読んで字の如く英語力です。このSEPこそがCS合格最大の難関となります。とにかくこのSEP合格が最難関なので、CS受験=SEP対策と言っても過言ではないくらいです。徐々にSEPの合格基準が上がっており状況はかなり厳しくなっています。
各評価項目のことをさらに知りたいかたは過去記事をご覧ください
SEP対策
当ブログでは日本人(非帰国子女)がSEPで合格するために必要なSEP対策方法を公開しています。SEP対策は英語が苦手な日本人特有のものであり、アメリカの予備校では誰も教えてくれません。英語が苦手だった僕だからこそ生み出せた対策です。
SEP合格には6大条件があります。
①アドリブ厳禁
②完璧に近い発音
③完璧なフレーズの完璧な暗記
④ゆっくりはっきり話す
⑤聞き返しゼロ
⑥いい直しゼロ
です。上記のSEP対策に関して過去記事で詳しく解説しています!めっちゃくちゃ貴重で自信のある内容となっておりますので是非ご活用ください。
STEP2CSの教材
STEP2CS受験に必要な教材は2タイプに分類されます。1つはSTEP2CS対策というよりは基礎英語力アップに必要な教材です。そしてもう1つはSTEP2CS用の教材です。
①基礎英語用教材
僕個人の意見ですがSTEP2CSに合格するためには最低でもTOEFLで80以上は取れる実力が欲しいところです。また特にCSでは発音が非常に大事になるので、CS準備を始める前に確実に発音の本を1冊仕上げる必要があります。
それ以外にもお勧めの文法の本がありますので、英語の勉強方法に関しては過去記事を参考にしてください!
②STEP2CS用教材
STEP2CSに必要な教材は多くありません。確実に購入すべきは「USMLE STEP2CS FIRST AID」です。この本には練習ケースが44症例分掲載されており、模擬患者の受け答え例文も載っているため非常に練習がしやすいです。この練習ケースを最低2周はしたいところです。
FIRST AIDで練習したらそのあとに必ずカルテ作成をしましょう。カルテ作成をする際にはUSMLEのホームページに行き、本番と同じフォームで練習してください。
「どうやって英語で問診したらいいかわかんない」
「身体診察の仕方ってどうしたらいいの」
「英語でカルテなんて書いたことないよー」
そんな疑問やお悩みのお答えするのが僕が作成したマニュアルになります。英語が苦手だった僕は自分で英語のフレーズを作る自信がなく、そのためにあらゆる参考書やサイトから英語フレーズをかき集めることにしました。こうして作られたのがCSマニュアルです。マニュアルの詳しい紹介は過去記事を参照してください!
STEP2CSではUWOLRDはあまり重要ではなく購入する必要はあまりないと思いますし、そもそもUWORLDに掲載されているようなフレーズや身体診察はマニュアルのほうに全部入れ込んでしまいました。
またオンライン講座も完璧ではありません。当然ながら日本人特有のSEP問題が外国人には理解できないため根本的なSEP対策になりません。そして何より彼らが教えてくれるフレーズ自体が変な場合もありますし、仮に間違っていなくても日本人にとっては長く発音しにくいフレーズになっていることが多いです。そのため英語をアウトプットする場としては良いのですが、SEP対策に過度な期待はしないほうがいいです。またある国の方がやっているオンライン講座はICE対策としてはOKですが、SEP対策はやはり微妙です。SEPは別問題と割り切って受講するなら問題ありません。
STEP2CSの勉強方法
STEP2CS対策は兎にも角にもSEP対策です。上で紹介した6大条件を意識しながら勉強を進めていきますが、具体的な方法は以下になります。
①マニュアルを通読し1ケースの流れを掴む
②挨拶や問診、診察、締めに必要な基本的なフレーズを暗記する
③練習相手を見つけてFIRST AIDの練習ケースを医者役と患者役に分かれて練習する
④うまく言えなかったフレーズをマニュアルで確認し暗記する
⑤徐々に使うべきフレーズを選択し固定していく
⑥フレーズが完璧に固定されたらネイティブによる発音矯正を徹底する
以上が非常にシンプルな対策方法になります。医学生が英語での医療面接を練習する場合とガチでSTEP2CS合格を目指す場合に分けて対策記事を書いてますので、こちらも是非ご参考にしてください。
STEP2CSの予備校について
STEP2CSには主に3つの予備校が対策講座を提供しています。ここではその予備校の特徴を簡単に紹介します。
①KAPLAN
老舗。一番高額。模試でSEPで70%取れたら安心、60%以下だとかなり怪しいという瀬嵜的基準があり、合格率を評価することができるのがメリット。各校舎で教えていることが違うという謎を抱えている。ロサンゼルスでは日本人受験生と知り合いになりやすい。
②NYCSprep
一番安価で一度受講すると何度も受験できるのが特徴。期間は3日間と短い。フィードバックが丁寧。
③GOLD USMLE
値段は中間。とにかくスパルタ。ひくほどスパルタ。私語厳禁で深夜まで講義。
予備校の要旨
各自お好みの予備校を選択したらいいと思いますが、勘違いしてはいけないのは「予備校の講座だけでは合格できない」ということ。一昔前までは「CSはKAPLANを受けるだけでいい」と言われるほど簡単な試験であったようですが、現在は間違いなく最難関試験となっています。
予備校を受ける意義は「12ケース通して練習ができる」「初心者は全体の流れが把握できる」「他の日本人と知り合える」「発音を指摘してもらえる」これくらいです。つまり、予備校だけでは十分なSEP対策は不可能なのです。このことを理解した上で対策講座、または1日模試を受けることはお勧めしております。
STEP2CS受験に必要な費用
STEP2CS受験にはとにかく高額な受験費用が必要です。
合格に必要最低限の費用を計算してみました。今回は試験直前にカプランの対策講座を受講するパターンを想定して費用を算出してみました。
受験費用:約15万円
FA+マニュアル:約1.5万円
飛行機代:約10万円
ホテル代:約1.5万円×7日分
予備校代:約30万円
合計:67万円
これでもあまり費用をかけてないほうです。これ以外にNYCSprepをニューヨークで受けたからロサンゼルスに飛んだりするとさらに費用がかさみます。50~200万円くらいは必要と考えてもいいでしょう。
USMLE受験に必要な費用は過去記事「USMLE受験に必要な費用」でまとめていますので是非参考にしてください。
まとめ
STEP2CS受験は帰国子女以外の方にとっては最難関試験になります。他のSTEPと違い客観的な指標が殆ど存在しないため、暗闇の中を走り続ける感覚に似ています。非常に難しい試験ではありますが、しっかりSEP対策をすれば活路は見いだせます。とにかくSEPが問題になるので、当ブログを熟読して頂き万全を期してほしいと思います。
当ブログではSTEP2CSに限らず全てのSTEPに関する情報をどこよりも詳しく提供しております。他の情報が気になる方は、是非過去記事「当ブログのオリエンテーション」より検索してみてください。
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一緒に日本の未来を少しでも明るくしましょう!しーや。
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