挨拶もなしにどんどん書いていきます!
次にCSの基本情報から!
詳細な情報を知りたい方はmediLinkにある僕の公開版マニュアルをご覧ください。
ここではCSに関する基本情報を簡潔に述べていきます。
STEP2CS対策②~CS基本情報~
CSは英語版のOSCEと捉えて頂くとイメージしやすいかと思います。そもそもOSCEはCSをモデルに作られたものです。しかしCSとOSCEでは質的にも量的にも全然違うものです。はっきり言って難易度が天と地ほどの差があります。
ホームページに書いてある情報からCSを要約すると「受験生が指導医の監視下の基、基本的な医学知識を用いて最低限の医療を提供できる技術を持っているかどうかを測る試験」と言えます。
その手法として、模擬患者(standardized patients: SP/ 以下SP)と呼ばれる患者を用いて、問診から診察、そしてカルテまでの一連の流れを行うことができるかどうかを見ていきます。実際には1日で12ケース行います。
USMLE STEP2 CSでは1日で12ケースの症例の問診、診察、カルテ作成を行うと上記しましたが、ここではさらにその1ケース内で行うことを詳しく説明していきます。12ケースの中には電話対応をするtelephone caseが含まれる場合もあります。
1ケースの基本的な流れ
1ケースの基本的な流れは以下のようになります。
Patient encounter (Doorway information、History taking、Physical exam、Closing):15min
→開始時、終了5分前、終了時にアナウンスがあります。
Patient note:10min(もしpatient encounterが15分以内に終了した場合にはその余った時間がpatient noteに追加されます。)
→終了2分前、終了時にアナウンスがあります。
これを12ケース繰り返します。その詳細をさらに細分化すると以下のようになります。
① Patient encounter 15min
・Doorway information 1min:診察室の前に立って開始の合図を待ちます。開始の合図を聞いたら、診察室のドアに付いている小窓を開けます。そこにDoorway information(後に詳細を説明します)と言って患者の名前やバイタルサインなどが書かれた紙が貼ってあります。それを確認し、メモをとり、必要であれば紙に語呂を書き写し、聞くべき質問や鑑別疾患を考えるのにここで1分程度使います。アメリカの医学生等は開始と同時に部屋に入っていきますが、アメリカでの十分なトレーニングを受けていない日本人は、焦って彼らの真似をしようとしてすぐに部屋に入ろうとはせず、入室前に十分な時間をかけてください。
・History taking 7-8min:問診です。患者の現病歴や既往歴などを聞いていきます。鑑別疾患を考えながら入室前に聞くべき質問を決めて入室するとスムーズにいきます。英語がnative並みに話せる人以外は英語での問診の仕方を事前にマスターしておく必要があり、アドリブを言って英語で減点されないためにも事前にフレーズを暗記するなどの準備が必要です。このマニュアルには、想定しうる質問の英語での受け答えをほぼ全部網羅しています。
・Physical exam 3-4min:身体診察です。問診後に鑑別疾患を絞り込むために必要な身体診察を行います。診察前には必ず手洗いをするか、グローブをする必要があります。手洗いだけで少なくとも30秒は費やすことになることも覚えておきましょう。3-4分という限られた時間で上から下まで全ての部位の診察を行うことは非現実的なので、疾患にフォーカスした診察のみを行うべきです。様々なCSの参考書のサンプルカルテに多くの部位の診察をしているかのような記載を良く目の当たりにしますが、完全に真似る必要はありません。超高速の英語を話しながら超高速で診察を行えば不可能ではないかもしれませんが、非常にリスキーです。例えば若い女性の右下腹部痛であれば、腹部の診察のみでOKです。問診中に残り5分のアナウンスを聞いたらすぐに問診を切り上げて診察に移りましょう。また、CSでは電話越しに患者と話をするというtelephone encounterや患者が私服を着ているケースもありますが、その場合はphysical examが無いので、その時間を他に充てることができます。
・Closing 3-4min:最後に今まで得た情報のまとめ、鑑別疾患や今後の方針について患者に説明します。このclosingをやり切ることが非常に重要と考えられているようです。そのため、身体診察が不十分だと感じても必ず最後までたどり着くようにしましょう。実際の試験で時計など見ている余裕などありません。15分という時間感覚は練習を重ねることによってのみ形成されるものです。慣れてくると時計もみなくても時間調整ができるようになってきます。アメリカの医学生も何よりタイムマネージメントが大事だと思っているようです。Closingの最後には必ず質問が無いか聞いてから部屋を出ましょう。
②Patient note 10min
Patient encounterで得た情報を元にカルテを書きます。カルテは大きく3つのパートに分かれており、History, Physical examination, Date interpretationです。Data interpretationはさらにDiagnosisとDiagnostic studyの2つのパートに分かれます。USMLEのホームページのpractice materialから本番とほぼ一緒のフォーマットで練習することができるので、練習の際にはできる限りここでカルテの練習をするようにしましょう。実際に慣れるまで10分という時間は、書きたいことを書ききるには不可能と思える程短く感じられると思います。後述しますが、カルテを書ききるコツは省略系の単語を多用し、コピーアンドペーストを繰り返すことです。
CSとOSCEの違い
ここでCSとOSCEの違いを見ていきます。
言語 OSCE:日本語 CS:英語
患者基本情報 OSCE:基本的になし CS:毎ケース与えられる
問診 OSCE:医療面接のときのみ CS:毎ケース
診察 OSCE:指定されたものを行う CS:鑑別診断を考え必要なものを行う
締め OSCE:当然ない CS:毎ケース行うが時にchallenging questionやカウンセリングが必要となる
カルテ OSCE:もちろんない CS:毎ケース行う
ご覧のように求められる能力がCSのほうが圧倒的に高いことがわかります。はっきりいってOSCEはお医者さんごっこである一方で、CSで求められるものは外来で必要な能力そのものです。
さてこのCSはどのように評価されるのでしょうか。次の記事では判定項目について述べていきます。
上記のマニュアルの抜粋の部分は非常に重要なので必ず目を通してくださいね。
では。シーヤ!
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