★追記:FIRST AID Clinical Pattern Recognition~「読み物版」FIRST AIDの登場!~

FIRSR AID clinical pattern recognition 4STEP1対策

「読み物版」FIRST AIDの登場!

挨拶

*追記:南江堂のHPでサンプルが見られるようになりました!

https://www.nankodo.co.jp/foreign/sample-page/9781260463781.pdf

ハイ!ナイストゥミーチュー!セザキングです。今回はUSMLE STEP1対策の新書「FIRST AID Clinical Pattern Recognition(以下、CRP)」をご紹介します。南江堂さんのHPでも既にレビューを書かせて頂いておりますので、是非そちらもチェックしてください!伝えたい内容は基本的には一緒ですが、ブログ内の他の記事と合わせて紹介することでより体系だった説明ができるのではないかと思って記事することにしました。

First Aid Clinical Pattern Recognition for the USMLE Step 1: 洋書/南江堂
First Aid Clinical Pattern Recognition for USMLE /Khan

 

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FIRST AID= STEP1受験のバイブル

このブログの読者であれば誰もがご存知だと思いますが、USMLE STEP1受験バイブルと言えばFIRST AID(以下、FA)です。ちなみにこのFAも南江堂さんより購入が可能です。USMLE受験を考えている人は必ず、そうでなくても医療英語に少しでも興味があるなら絶対に購入しましょう。忖度の無しの超名著です。さて、今回紹介するCPRはそのFAの新シリーズとなります。FAという唯一神がいてそれを覚えるだけでも大変な中、果たして「誰が何のために」CPRという追加の教材を利用すべきなのでしょうか。

対策⑥:FIRST AIDの使い方【STEP1】2023/4/26追記
FIRST AIDの使い方をご紹介 FIRST AIDはSTEP1受験のバイブル さてこれまでにSTEP1対策に必要な教材を紹介してきましたが、今回はUSMLE...

FAはSTEP1受験のバイブルではあるものの、残念ながら「合格にはこの1冊で十分!」ではありません。何故ならFAはあくまでも「辞書的」な教材であり、膨大な知識を還元濃縮しまくった一冊であるため、初学者が読んでも知識の羅列にしか見えないからです。ちなみにこのFAが何故そこまで重要なのでしょうか。それは、FAが「過去問」によって構成されているからです。実は受験生が集まって出題された知識をこの1冊に詰め込んでいるのです。出題内容は毎年春過ぎに変更となりますが、FAはその変化に応じてさらに変わっていきます。毎年1月に新書が発行される理由はそのような背景にあります。正直、金銭的に余裕があるならFAは毎年購入したほうが絶対に良いです。理由は上に述べた通りです。

対策⑫:FAは毎年買うべきか【STEP1】
STEP1対策⑫ セザ本のこと ハイ!ナイストゥミーチュー!セザキングです。「セザ本」がびっくりするほど好評で嬉しい限りです。何とベストセラー1位を継続していま...

USMLE受験に教科書はある?

重要な知識がぎゅっと詰まっているものの、辞書であるために目を通しても頭に入ってこない。そんな「辞書」を「読み物」にする方法があります。それが「大量の問題を解く」という方法です。ただ問題を解くのではありません。「大量に」解く必要があります。具体的には3000問解いてやっとスタートライン、合格のためには6000~8000問解く必要があります。

勉強方法総論⑨~問題集を完璧にする方法:前編~
挨拶 ハイ!ナイストゥミーチュー!セザキングです。 おひさです。先ほどもジムにいってきましたが、地獄でした。笑 セッションの最後にサイドレイズ(おもりを持って...

辞書がどのようにして読み物になるのか。具体的には問題を解きながら、不明点や疑問点を逐一FAで調べ、必要に応じてFAに知識を書き加えていきます。「大量の問題を解き、知識をFAに集約する」、これがSTEP1受験の鉄則中の鉄則です。こうすることで、FAの全体像が徐々に掴めていき、一見関連性の無さそうな知識が密接に繋がっていることに気が付くはずです。「面白い」と思えたら、もう合格は目の前です。

「ハリソン読みなさい」に潜む罠

でも待てよと。そもそも最初から良い読み物があればいいじゃないの、という疑問が浮かぶのが普通でしょう。学校教育を振り返れば、最初に教科書ありきで、その後問題演習が続くというスタイルを経験してきたはずです。では何故、USMLE受験においてはその順番が逆になるのでしょうか。それは「丁度いい」教科書的な存在が無かったためです。

有名な医学書と言えば、ハリソン内科学などが思い浮かびますが、果たして皆さんの周りでこれらの重厚な教科書を通読した方はどれほどいるでしょうか。もちろんハリソンを原著で読めばUSMLE受験にも役立つは思いますが、正直効率的とは言えません。あまりにも膨大な量であるため、通読自体が非現実です。でも、時として「STEP1ならハリソン読むべし」という声が聞こえてくることがあります。この理由は、USMLE受験界隈には一部の超人(変態)がいるからです。医学部受験という戦争を勝ち抜き、そしてその医学部という天下一武道会の中でもミスターサタン級の人達がUSMLE受験に挑みます(実際には平均的な学力の方も多いが)。となると、マジで見ただけで、読んだだけで暗記してしまうレベルの人も少なからず存在するのです。このような一部の転載が「ハリソン読め」とか「UWやれば250超える」とか言っちゃうので、それを真に受けてしまう人が後を絶たないわけです。「鉄緑会に入れば誰でも理3いけるよ」なんて言葉を信用したりしないですよね。「UWやれば250」はほぼ同義です。

このような背景があって、FAのような必要な知識を濃縮した「辞書」が重宝されてきたわけです。日本で言うところの「病みえ」に近い。しかし、あまりにも知識を濃縮して効率を求めたが故に「ストーリーとして頭に入ってこない」問題が生じたわけです。FAは知識の羅列だし、ハリソンは重すぎる、ではどうしたら・・・?そこで登場したのが、このCPRというわけです。

CPRの特徴とは

*追記:出版社よりサンプルを頂きました!

CPRはFAと同様の順序で科目別・臓器別に構成されています

FAと異なる点は、全て症例形式で記載されていることです。最初に(各症例の)「症候毎」の鑑別疾患が与えられ、次いでその「疾患毎」に抑えるべきポイントの解説があります。つまり、FAで得られる知識を物語にしたのがCPRというわけです。

「ほら読み物でしょ」

USMLE STEP1対策・勉強法のまとめ~2023/4/27更新~
ハイ!ナイストゥミーチュ!セザキングです。 徐々にブログの情報も飽和してきており、改めてここで「USMLE STEP1に関する情報のまとめ」をお届けしたいと思...

この特徴は特に、疾患概念を掴んでいない低学年向けと言えるでしょう。もしこのCPRを活用するとすれば、USMLE対策というよりも最初は医学英語を学ぶ一環として購入し、学校の講義で見聞きした疾患をこのCPRで調べてストーリーを把握し、その後FAで関連した知識を抑えるという流れが良いのではないでしょうか。従来、低学年生に対しては学校の講義に合わせてFAを読み、それに加えてFAのQ&Aを解くことを提案していました。しかし、数問解くだけでは知識の虫食い状態になってしまうのが現状でした。そんな中、このCPRの登場により、FAと伴に勉強することで、効率よく臨床像を「物語で」把握し、STEP1受験の本格的な準備への移行がスムーズになるのではないかと考えています。ただし、当然ながら学校の講義にプラスアルファで勉強することになるため、ある程度時間的な余裕がある方に推奨される本かなと思います。

対策①:お勧めの教材①【STEP1】
対策教材① まずは勉強方法から! ハイ!ナイストゥニーチェ!超人瀬嵜です。すいません。台風でどこもいけないからおかしくなりました。 さて、いよいよ教材の紹介...

また病院実習中の学生にもこのCPRは有効活用が可能かと考えました。多くの大学の講義は所謂「縦割り」形式といって、「疾患毎」の説明がメインであり、「この疾患の症状は・・・治療方法は・・・」というように診断名ありきで解説がなされていきます。しかし、実臨床においては患者さん「症状」を主訴に来院されるはずです。(最初から「私SLEなんです」と言ってくる新患さんはいないですよね)。それらの症状から鑑別疾患を考え、問診や身体診察、検査から診断名を確定して、治療を開始するのが現実的な流れです。しかし、症状から推論していく、つまり「横割り」の思考パターンに慣れていないことが多く、学生実習や研修医になってから困ってしまうという話をよく聞きます。そこでCPRの特徴である「症候毎」の鑑別疾患の解説を実習に活かしてみてはいかがでしょうか。(僕はもう実習できないので誰かやってみて(笑))具体的には、実習で遭遇した症例の主訴から自ら推論し、その後CPRを用いてその症状が記載されている周辺に目を通して、鑑別疾患を把握することです。臨床実習が医学英語の勉強や、USMLE対策に活きるって魅力的じゃないですか?

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まとめ

繰り返しになりますが、このCPRはSTEP1受験生にとって初(?)の「読み物的」1冊であり臨床像を把握するのに優れていながら、「実習手引き」としても使用可能という2つの側面を持ちます。STEP1の受験生は非常に多様化してきており、医学部低学年から卒後20年目以上の医師まで本当に様々です。当然ながら全ての受験生に対して一様な教材を勧めることはできません。しかし、上記の特徴に魅力を感じられた方は是非手に取ってみてはいかがでしょうか。

それではまた、しーや。

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