CBTに関する考察第1弾
ハイ!今日もマイペースに生きてるDr.瀬嵜です。普通に生きるってのも中々大変ですよね。当然僕にも不得意なことがたくさんあります。みなさんが苦しんでいることは他の人も同様に苦しいんだと思います。それでも選んだ道を信じて突き進むしかないと思っております。
今回は学生からの希望もありCBTについて考察してみました。あくまで考察であり、具体的な対策をお伝えするものではありません。
「もし僕がCBT前の受験生に戻ったらどうするかな」という視点でCBTのことを考えてみました。
ではタイムスリップ!
USMLE受験生のCBTとの向き合い方
CBTの歴史を紐解きながら、USMLEを意識する医学生はどのようにCBTと向き合うべきか考えてみます。
最近では大半の医学生は4年生の秋‘~冬にCBTを受験するようです。僕が学生の頃は受験時期がもう少し遅く冬~春でした。受験時期が早くなった理由はまさに以前に言及した2023年問題であり、実習時間を確保するために受験時期を前にずれ込ませるしかなかったのだと思います。
これも何度もお伝えしていますが、CBTはUSMLE STEP1をモデルに作られたものです。ではCBTは何のために導入されたか。
それは「Student doctorと称される医学生が臨床実習をする前に最低限の医学知識を有しているかどうかを確認するため」と考えます。「技能」を問うのがOSCEというわけです。
実際にSTEP1ではUSMLEのホームページ上に同様のことが書かれています。
では日本の医学生は実習の現場で何か求められるのか。それは「指導医の指示のもと最低限の問診・診察を行う」ことでしょう。自分一人で問診して診察して考察して指導医と相談ということはまずありえない。
だからCBTもOSCEもそのレベルを求めているわけです。一方でUSMLEはまるで違います。米国の医学生は研修医のように働きます。そのため「指導医の監督のもと、一人で問診、診察、考察、カルテ記載を行う」ことが求められます。だからSTEP1は全て臨床問題形式だし、STEP2CSも非常に実践的です。
こういうと反感を買うかもしれないですけど、難易度・有用度という点においては完全に下位互換と言わざるを得ません。
ではUSMLEを意識する医学生はそのCBTとどう向き合うべきか。
僕の結論としては「合格できる程度に勉強する」です。しかし、この結論は僕がCBT受験時にとった行動と完全に矛盾しています。
何故なら僕はCBTで1位を取ることに命を燃やしていたからです。それが大学4年生時の目標だったと言っても過言ではない。
そもそも当時はUSMLEの存在も殆ど知らなかったためUSMLEを意識する理由もありませんでした。そして自分に自信が欲しかった幼き日の瀬嵜君はCBTで1番を取ることを夢に見ていたのです。
恐らく4年生の4月からCBT対策を開始していたはずです。当時クラス内にそんな人は一人もいませんでした。しかし、現実は残酷なるものかな結果は以下のようでした。(数字に強いためか全て記憶している。笑)
順位 5位/100人中
点数 90.72%
θ値(今のIRT値) 73
もちろん悪くない結果です。それは分かりますが、僕は間違いなく1番準備しましたからね。「お前の才能なんてそんなもんだよ」と宣告されたようで非常に苦しい思いをしました。
その悔しさが僕をUSMLE受験に向かわせるのですが、その後のことは僕の合格体験談に譲ることとしましょう。
そして今振り返って改めて思うのは、
「USMLEと違い、CBTでいかに良い点数を取ろうとも人生に大きな影響は与えないし、人からも評価されない」
ということでしょうか。もちろん、1番を取ることは大変ですし、取ればクラスメイトからは称賛の嵐です。でもそれで終わりです。
医師になってから「君CBTで何番だったの?」と聞かれることなんてまずないし、「あの人CBTで1番だったから仕事もできるね」なんて話題になることもまずあり得ません。「俺は1番だったんやー」なんて言おうものなら嘲笑の的になること間違いなし!です。
そして適当に準備すべきもう一つの理由は「CBTのクオリティが高くない」からです。僕も最近のCBT事情が気になったため、最新版のQBを見てみましたが、多くが一般問題で、臨床問題も非常に文章が短いものばかり。
決して簡単とは言いません。正答するためには多くの知識が必要でしょう。しかし、基礎医学の問題を例に挙げると、これらの問題が全く臨床と結びついてないんです。「〇〇を産生するのはどれか?」「これ」みたいな問題ばかり。「で?」っていうね。
みんなが医学生でいられる時間は長くないです。自由に勉強できる時間は長くない。そんな貴重な時間をクオリティの高くないものに使うのはどうしてもお勧めできない。そこで学んだものは将来にも役立つものであってほしい。
だからこそ、USMLEを意識する皆さんには是非STEP1を勉強してほしい。3,4年生であればSTEP1をメインで勉強しつつ、CBT直前にQBを1周だけする。これで十分でしょう。STEP1の勉強が進んでいればCBTは赤子の手をひねるように感じるはずです。
また本音を言えばUSMLEを受験する気が無い人も是非STEP1を解いてみて欲しい。みんなが「なんでこんなん覚えないとあかんのや。絶対に役にたたんわ。」と思っていた基礎医学の知識が驚くほど臨床に繋がっていく新感覚を体験できるはずです。
そもそもCBTって実力テストなので、普段から勉強している人は追い込む必要なんてないのです。
そのため「より役に立つSTEP1に時間をかけて、CBTは軽めにやろうよ」ってのが僕の意見になるのですが、実は言うは易し。
これを実行するためにはある2つの問題をクリアする必要があるのです。これらはUSMLEを目指す意識を高い人だからこそ越えなければいけない問題です。
これはまた次の記事で書いていきますね。
今日はコーヒーではなくごぼう茶を飲んで寝ます。
みなさん今日もよく頑張りました。僕はちょっとだけ頑張ったかもです。笑
ではシーヤ!
コメント
[…] ★CBTについてDr.瀬嵜の考えは?:ここに色々書きました。何を優先するかということ。 […]
[…] その代表は国家試験やCBTに消費される時間でしょう。以前の記事で口すっばく言いましたが、既に十分に合格できる実力(つまり模試の偏差値50超え)の人がこれ以上勉強しても不安が軽減されるだけです。 […]