ハイ!ナイストゥミーチュ!Dr.瀬嵜です。
今回は「STEP2CKに関する情報のまとめ」をお届けしたいと思います。
ここで大よその枠組みを掴んで頂き、気になる情報の詳細は各記事を参照にしてください!
「STEP2CK対策まとめ」のポイント
2:国家試験と併行してSTEP2CKの準備をすすめよう!
3:国家試験で対策すべき科目を把握しよう!
まずは受験に必要な情報が沢山あるので整理していきます。
USMLE概要
USMLEとはUnited States Medical Lisencing Examinationの頭文字をとったもので読んで字のごとく「米国医師国家試験」のことです。
USMLEはSTEP1、STEP2CK、STEP2CS、STEP3の4つの試験で構成されています。
STEP1:日本でCBTに相当する試験。基礎医学から出題される。この記事ではSTEP1に関する情報をお届けします。
➡STEP1のまとめ記事はここから!
STEP2CK:clinical knowledgeの略。日本で国家試験に相当する試験。臨床医学から出題される。
➡今回はSTEP2CKの情報をまとめます!
STEP2CS:clinical skillsの略。日本でOSCEに相当する試験。USMLEの中で最難関。
STEP3:医学部卒業後に受験する試験なので日本では相当する試験なし。
*STEP1、STEP2CK、STEP2CSはどの順番から受けてもよい!
STEP2CKの試験構成
上述した通り「臨床医学」からの出題です。問題はSTEP1と同様に全て臨床問題形式ですが、STEP1よりもより臨床的な知識が問われます。1ブロック1時間40問以内で全8ブロックで構成されているので、合計8時間。これに休憩が1時間加わり、全9時間の試験となっています。
*当日の詳しいスケジュールや持ち物については過去記事「USMLEのスケジュール」を参照。
STEP2CKの開催時期と受験会場
1年中受験可能です。TOEFLなどのCBT試験と同様にテストセンターで受験可能です。
日本では2会場で受験可能で、
・大阪 中津
となっております。年中受験可能とは言え、会場の予約が空いてなければ受験はできないのでなるべく早め(出来れば3か月前)に申し込んでおきたいところです。
受験会場に関する情報は過去記事「受験会場について」を参照。
STEP2CKの受験方法
現在はオンラインのみで受験申し込みが可能です。詳細は「受験方法」の記事を参照にしてください。
STEP2CKのスコア
USMLEでは非常に独特なスコアが採用されており、初見では中々理解しにくいです。
STEP2CKのスコアは1~300の範囲で表示されますが、殆どのスコアは140~260の範囲に収まります。これは単純な正答率ではないため正答率は50%であっても150/300とはなりません。偏差値のようなものと考えてください。2019年4月時点の合格最低スコアは209ですが、ここ数年で20近く上昇しています。アメリカ・カナダの医学生の初回受験の合格者平均スコアは240弱(つまり日本などのアメリカ・カナダ国外の医学生や医師、不合格者、2回目以降の受験者のスコアは含まない)となっており、これも上昇傾向です。
多くの方は230以上(マッチングで足切されにくくなる)を目指しており、近年では250以上がハイスコアと呼ばれるような風潮です。
しかし残念ながらSTEP2CKはSTEP1よりもスコアが水物な傾向があります。明確な根拠はありませんが、僕を含めて多くの人が模試と本番のスコアが大きく乖離しています。
スコアの詳細は過去記事「スコアの見方」へ
STEP2CKの教材
残念ながらSTEP2CK受験にはSTEP1のFIRST AIDのようなバイブルが存在しません。しかし、あえて一冊を挙げるならやはり「USMLE STEP2CK FIRST AID」となります。
STEP2CK受験を考えているならとりあえずこれを買っておいて損はないと思います。STEP1ではFIRST AIDをベースに問題集を解き進めていきましたが、STEP2CKはあまりにも範囲が膨大すぎてFIRST AIDでは対応しきれません。しかし、「情報を1つに集約する」という勉強の大鉄則自体は変わりないので、基本的には問題集を解き進めながら、該当箇所をFIRST AIDで確認して、必要な知識を余白に書き込むというスタイルは変わりません。
僕がお勧めするその他の参考書や問題集は過去時期「お勧めの教材」を参考にしてください。
STEP2CKの勉強方法
USMLE勉強の鉄則は兎にも角にも「多くの問題を解くこと!」。これはSTEP1と同様です。
STEP1では「合格したいなら最低3000問」、「230以上取りたいなら最低6000問」とお伝えしていますが、STEP2CKでは「3000問解けば230は狙える」と思います。しかし、これはSTEP1に合格した後にSTEP2CKを受験した場合を想定していますので、STEP2CKから始める場合はその限りではありません。
その理由はSTEP2CKではSTEP1に酷似した問題がしばしば出題されるからです。また、当然のことですがUSMLEに慣れていることも大きな利点です。そのため、STEP2CKより開始する人はオンライン問題集を2種類くらいはこなしたほうがいいかもしれません。いずれにせよSTEP1から開始することを強くお勧めします。
STEP1との大きな違いは「臨床経験がスコアアップに繋がる」ことです。これは非常に大きな違いです。範囲が膨大でありあらゆる臨床判断が求められるため、暗記だけで乗り越えるのは中々困難です。そのため臨床で培った経験がSTEP2CKには如実に活きてきます。
STEP2CKと併行しながら対策すべき国家試験の科目
僕は学生中にSTEP2CKまで取得する事を強く推奨しています。理由としては卒業後には勉強時間が激減するため、受験勉強により仕事に集中できなくなるからです。臨床経験がSTEP2CKに活きることは事実ですが、一方で国家試験をピークに知識が忘却していくことも事実。よって網羅的な知識がある国家試験の前後にSTEP2CKを受験したほうがいいのです。
そこで「国家試験との兼ね合いは?」という疑問が生じますが、STEP1に合格した人が特に対策すべき科目は極めて限定されます。
・公衆衛生
・産婦人科
これのみです。STEP1では国家試験のマイナー科目をカバーしきれない部分もありますが、マイナーは大学の定期試験・卒業試験の対策だけで十分網羅できます。僕はそれだけの準備+STEP1の知識で模試で全国10位だったこともあります。
しかし上記3つはSTEP1だけではカバーしきれず、特別に対策すべきと考えます。必修は8割必須であり、問題も独特なものが多いためさすがに対策すべきです。公衆衛生は言うまでもなく日本独自のものであるため対策は必須です。産婦人科に関しては、国家試験では意外と細かい知識が求められ、STEP1で出題される基礎医学の知識だけでは対応しきれません。そのため産婦人科はしっかり対策しておきたいところです。
STEP2CK受験のスケジュール例
ここでは「STEP1に合格した後にSTEP2CKの合格を目指す場合」のスケジュールの1例を紹介します。人によって学力・目標・大学のカリキュラムなど異なるのであくまで参考に留めておいてください。
詳細な設定としては「6年生の春~夏にSTEP1に合格し、卒業試験を終え、秋よりSTEP2CKを開始し、3月に本番を受験する」こととします。そのため6年11月~3月の間で国家試験との勉強を併行しながら受験の準備をしていきます。
6年11月:FIRST AID Q&A 1周
➡お馴染みのQ&Aです。時間が無ければ省略可です。
6年12月:国家試験対策
➡1か月間で上述した通り産婦人科+公衆衛生を完成させます
6年1月:UWORLD1周
➡国家試験のことは一旦忘れてUWORLDを全力で解きます。
6年2月:必修
➡国家試験1~2週間前になったら必修対策を開始します。
6年国家試験後~3月:UWORLD復習
➡残り時間を全て使ってUWORLDをできる限り復習します。余裕があれば模試も解きます。STEP1と違って本番前のFA通読と暗記は必要ありません。とにかく多くの問題を解いて本番で似たような問題が出題された時に確実に解けるようにしていきます。
Dr.瀬嵜の実際の受験スケジュール紹介 古い情報なので参考までに
上記と同様のスケジュールで対策を進め、結果として
解いた問題集:FIRST AID Q&A 1周+UWORLD 1.5周
模試:UWORLD前 NBME202➡UWORLD後 NBME204 2点しか上がってなくて絶望した
本番:236 何故か模試より30も上がった
*Dr.瀬嵜の詳しい合格体験記は過去記事「合格体験記」を参照。
*Dr.瀬嵜の生い立ちは過去記事「自己紹介」を参照!
STEP2CK受験に必要な費用
USMLE受験にはある程度高額な受験費用が必要です。
合格に必要最低限の費用を計算してみました。
FA+Q&A:約1万円
オンライン問題集(UWORLD3か月分):約3万円
模試2回分:約1万円
合計:約20万円
以上となりましたが、実際にはこれ以外にも参考書を買ったり、模試を受けたりするでしょうし、受験会場への移動費やホテル代も考慮すると20万円以上かかるでしょう。
USMLE受験に必要な費用は過去記事「USMLE受験に必要な費用」でまとめていますので是非参考にしてください。特にCSではかなり高額な費用が必要となりますので必見。
まとめ
STEP2CK受験は多くの方にとってSTEP1後に受けることになります。STEP1でUSMLEに慣れているため対策はしやすいです。出題範囲は臨床医学全般であるため非常に膨大ですが、STEP1と同様にオンライン問題集をしっかりやれば合格で手堅いです。臨床経験が活きてくることは確かですが、国家試験前後が最も臨床医学の知識があり、また初期研修中は仕事に集中することを考慮すると、国家試験後の3月に受験するのがベスト。
当ブログではSTEP2CKに限らず全てのSTEPに関する情報をどこよりも詳しく提供しております。他の情報が気になる方は、是非過去記事「当ブログのオリエンテーション」より検索してみてください。
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一緒に日本の未来を少しでも明るくしましょう!しーや。
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