合格報告⑩:CS再考察①
ハイ!ナイストゥミーチュ!Dr.瀬嵜です。
久々の合格報告シリーズです。最近数多くの合格報告(不合格報告もあり)を頂いておりますが、おその戦略の立て方により合格率が大きく変わってくると実感せざるを得ない結果となっております。ある勉強会グループでは全滅している一方で、メンバーの殆どが合格したグループもあるようです。今回合格者の一人から詳しいフィードバックを頂きましたので、これを基にCSに関して再考察し、今日本人が立てるべき戦略を考えてみようと思います。
では以下!
はじめに
初めまして。
今年受験したStep2CSに無事合格し、ECFMG Certificationを取得することができました。Step1から始まり、瀬嵜先生の資料等々には大変お世話になりましたので、感謝申し上げます。
➡おめでとうございます!お役に立てていたとは光栄です。
本題ですが、LAでCSを受ける日本人でグループを作り、集まって対策をしておりました。結果として、特に顔を合わせて対策していた9人中8人は合格することができました。うち、帰国子女3人です。この数字は、巷で言われている日本人の合格率を大幅に上回っている結果と思います。そこで、合格率を上げた要因をいくつか考察してみました。
➡9人中8人は衝撃的な数値です。これは一考の価値があります。
1. 非公開(講演会などでお話します)
非公開にしてます。
➡取り扱いが難しい内容なのでこの部分はオフラインでお話をします。
2. フレーズ暗記は絶対
今や常識ですが、やはりこれができない人は合格できないと思います。できるだけ短く、発音のしやすいもの、かつネイティブが聞いて響きの悪くないものを追求する必要があります。案外相当やりこまない限り、毎回同じことを言うのは難しかったです。SEPで落ちるのは、おそらくこのフレーズ暗記が甘く、本番でアドリブを混ぜてしまっているか、暗記したフレーズの発音能力が低いかのどちらかです。前者は論外で、後者は元々の英語力もあり何とも言えませんが、ある程度自然な発音ができるまで繰り返しネイティブスピーカーに訂正してもらったほうがいいでしょう。
➡この常識はそもそも僕が提言しだしたものです。当然ながらフレーズ暗記は絶対。アドリブは厳禁です。これもこれまでに何度も繰り返しお伝えしてきた通り。あとはやはりフレーズの短さだったり、自然さだったりと。これらも何度も強調しております。そして発音ですが、この重要性も何度もお伝えしております。
3. CISは重視しない
どの項目がCISに含まれるかいまいちはっきりしませんが、自己紹介、empathy、カウンセリングなどが中心と考えられます。これらを充実させるほど患者受けが良くなるのは誰が見ても当たり前ですが、完璧を期すほどSEPが下がる要因になると考えました。意外にここを諦めるのが日本人にとって難しいところかもしれません。
➡SEPとCISもトレードオフの関係にあるのでCISを求め過ぎると当然SEPは下がります。例えば某予備校は「CISを高めるためにスモールトークを挟め」というアドバイスをするそうです。それは英語に問題がないアメリカ人にとっては一つの戦略になるかもしれませんが、日本人がそれをするとSEPの点数が大幅に下がります。このように各項目はお互いに連動しているということを知るべきなのです。基本的にCISは無視です。
empathyは1,2回さらっと言っておけば十分。カウンセリングは明らかな喫煙、ドラッグ、過量飲酒だけで、「健康に悪いからやめたほうがいい(色々プログラムあるから次回話しましょう)」ぐらいに留めるべきと思いました。結局本番ではカウンセリングは2回のみでした。
➡最近の主流はカウンセリングは全くしないことです。この先生は二回されたようですが、英語に自信のない方はしなくてもいいです。empathyは1-2回程度でいいのはその通りだと思います。
CISかわかりませんが、closingもsummaryはonset, location, severityぐらい、鑑別は1個、検査は毎回blood testとscanだけ。ここまで省くことで、必要十分なCIS(?)とSEPのダメージを最小限に抑えられました。
➡個人的な意見ですがクロージングはCISとICEと両方に関係している気がします。しっかりとクロージングしていること自体がCISに関係し、また内容はICEに関係しているのではないかと思います。
鑑別診断は一つに留めておくのも僕と同意見です。検査もその二つだけで十分です。下手にMRIとか言っちゃうと、「何それ?」と説明を求められることになりSEPを下げる要因になります。
加えて、個人的に重要と思っていた点を挙げます。
個人的に重要と感じるポイント
・鑑別疾患
鑑別診断に関して、陽性所見と陰性所見を重視する。そして、カルテのsupportive findingsにはどちらも書く。瀬嵜先生も言われていますが、例えば頭痛で片頭痛を書くなら、unilateral, pulsatile, nausea, afebrile, no Kernig, no nuchal rigidityなど、髄膜炎を否定するような所見も聞き出し、カルテに記載する。実臨床的には当たり前の話なので、これを全ての主訴で徹底して練習することで、ICEは右端に達しました。
➡ICE右端は素晴らしいです。日本人でICEが高い人はあまりいません。恐らくリスニングも得意だったのではないかと推察します。陰性所見をなるべくたくさん書くというのはカルテ作成の肝です。必ず陰性所見を多く書くようにしましょう。
・challenging questionの対策
本番では定型的なchallenging questionしか出ませんでしたが、Kaplanで仕掛けられるようなものすごく痛がっているケース、待ち時間で怒っているケースなどは実際遭遇するとかなり乱されるため対策必須でした。その他、非医療者のネイティブスピーカーに自由に質問してもらい、question listを作っておきました。結局6-7割の回答はある程度似通うのですが、どんなシチュエーションになってもそれなりにかわして、何とかケースを終わらせることはできるという力も大事だと思います。
➡完璧な対策だと思います。あらゆるケースを想定して準備をしておくことが大事です。どんな質問が来ようとも暗記したリストの中のフレーズから答えます。絶対にアドリブは使わない。これが鉄則です。
まとめ
以上がCSを勉強する中で気づいたTipsです。昨今の低い合格率に悲観的になる瞬間もありましたが、上記の方策を徹底して行えば、日本人にとってCSに合格することは巷で言われているほどハードルの高いことではないと感じました。批判を恐れず言うならば、日本人受験生全員が本当に適切な対策を行っていれば、もっと高い合格率になるはずです。決してNonnative speakerだから英語で減点されているのではなく、それをカバーするような対策を取れていないことが原因です。
瀬嵜先生にとって決して目新しい情報ではないと思いますが、今後の日本人のために、何かのお役に立てていただければ幸いです。長文失礼いたしました。
➡フィードバックありがとうございました。目新しいものではないかもしれませんが僕の提唱する理論を協力にバックアップしてもらったような気がします。素晴らしいです。
CS対策は本当に戦略次第なのです。さて、これ以外にもいくつか情報を頂いておりますので、次に記事でそれらをお伝えし、対策のまとめを出したいと思います。
ではまた!しーや。
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