医学部の歩き方 1限目:多様化する医師のキャリア~アメリカ行く?カフェで仕事する?~
オリエンテーション
ハイ!ナイストゥミーチュー!医学部に入学したばかりの皆さん、おめでとうございます!きっと新生活に胸を弾ませていることでしょう。僕は米国医師国家試験(USMLE)のコンサルタントをしているセザキングと申します。この記事では「お節介にも」医学部の新入生(または在学生)向けに医師・医学部の教養に関する講義をしようと思います。全6時限で構成していきます。
これから医学生になる皆様は
「研修医の就職ってどうなってるの?」
「勉強ってどこまで大事なの?」
「部活って入るべきなの?」
「医師ってどんな働き方があるの?」
そんな疑問を抱えているのではないでしょうか?医学部入学後の世界は長く、そして奥深い、なのにそれを知る機会が与えられないのが現状です。むしろ一方的な偏った情報のみ与えられているかもしれません。
僕は10年以上前よりUSMLEコンサルタントとしての活動を続けてきましたが、その中で4桁人数以上の方の心の内に触れてきました。USMLEや留学に関することは当然のこと、それ以外にも各大学の違いや、医学生のリアルな悩み、時には医局の内部事情等、あらゆる「生の情報」が僕のもとに届きます。そんな内部に精通する自分だからこそ世の中に伝えられるものがあるのではないかと思うようになったのです。(最近自分の仕事は「人生相談」と答えています笑)
この記事では「自分が新入生の頃にこんなこと知っていたら良かったかもな」と思えることを散文的に綴っていこうと思います。多分に個人的見解を含みますし、科学的とも言えない内容もあるかもしれません。ただ、そうであっても誰よりも相談に乗ってきたという経験があり、そして自分独自の道を切り開いてきた自信があります。他では中々聞けない話もあるかと思うので、是非楽しみながら読んでもらえると嬉しいです。一限目は「医師のキャリア」について語ります。
以下が本講義のカリキュラムです。少しずつ書き上げていくので是非お付き合いください。
2限目:医学部の違い~情報は山を越えない~
3限目:留学の種類~研究と臨床、あと大学院~
4限目:医学の部活~もはや宗教の世界~
5限目:いかに勉強と向き合うか~大学はCBT大好き
6限目:偏差値至上主義から抜け出せ
↓えーい!そんなことより留学したいんだ!USMLEについて教えてくれ!って方はこちらから
USMLE STEP1対策・勉強法のまとめ~2024/8/29更新~
↓いずれ出版するつもりで書いているので是非うちで!という出版社がいましたらここからお問い合わせください(笑)
1限目:多様化する医師のキャリア~アメリカに行く?カフェで仕事する?~
①有名病院にいけば幸せ?
今は合同会社U-Consultantの代表として活動しておりますが、以前は大病院に勤める精神科医でした。そんな僕はカフェを巡りながら仕事をするという以前では考えられなかった生活を送っています。(記事書いたり、資料作ったり、相談にのったりしてるのです。フラペチーノを作ってるのではない。)

「医者で本当にそんな仕事をしている人がいるの?」
と思うのが当然の疑問でしょう。実は医師のキャリアは思っている以上に幅広いのですが、医学部入学後の世界は表層からではその深淵を覗くことができません。人によっては医師になっても気が付かない世界線もあるでしょう。僕自身も山形大学在学時には医師の仕事は臨床医と研究医しか知りませんでした。
前置きしておきますが、この記事ではお医者さんの仕事の内容に優劣をつける意図は毛頭ありません。職業に貴賎なしです。この記事の狙いは「選択肢が沢山あることを知ってもらう」ことにあります。どんな仕事内容を選択しても自分が納得できればいいと思いますが、同じ選択肢を選ぶにしても、1個しかないところから1つ選ぶのと、10個をしっかり吟味して選択するのでは意味合いが全く異なります。
僕も学生時代は医師としてのキャリアに色んな疑問を持ちつつも、「良い病院」で働ければ充実した医師ライフが送れると思っていました(いや思い込んでいたのかも)。しかし、実際にあるブランド病院で働いている時にふと思ったのです。
「あれ、みんな疲れて見えるけど本当に幸せなのだろうか」
もちろん他人の心中は計り知れません。しかし、「偏差値が高ければ、いい大学にいけば、ブランド病院に行けば、幸せなれる!ってのは違うのかも」と疑問が強まる一方でした。
一方で地方の病院に研修に行ったときのことです。そこに最新の医療はないかもしれません。しかし、昼休みには将棋大会で盛り上がる医局、終業後は草野球、そして自宅に集まって飲み会、みんな楽しそうでした。実際の幸福度を他者が知る術もありません。ただ、医学部入学前に、医師になる前に描いていた幸福な医師像と現実は乖離があるのかもしれないと思ったのです。
ネガティブなところばかりに書いてしまいましたが、本当に楽しそうに仕事をしているお医者さんももちろん沢山いらっしゃいます。ここで改めて伝えたいことは、今の内から様々な医師のキャリア(ロールモデル)について知り、そして「自分はどんな医者になりたいのだろうか?」と想像し、悔いのない選択をしてほしいということです。
皆さんが想像している以上にあなたのキャリアは可能性で溢れ、将来様々な分野で活躍することができます。是非、様々な選択肢を知って頂き、これからの医学部生活を今以上にワクワクして過ごしてほしいと思います。
1限目の続きでは「医師の仕事の種類」について紹介していきます!
↓佐賀県のグローバルコースや稚内病院の広報活動など、USMLE学習や留学に関するプログラムや人事に関するコンサルトもおこなっています。ご興味のある方はお問い合わせフォームより連絡宜しくお願い致します。
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