「留学医師LIVE」(メジカルビュー社)~臨床留学ならまずこの1冊~
挨拶
ハイ!ナイストゥミーチュ!セザキングです。今日もブログの更新を頑張っていきます!前回の記事では朝日新聞社の「医者と医学部がわかる」のご紹介をしましたが、本記事でも引き続き「とある本」の紹介したいと思います。
それは、いつもYouTubeで御世話になっている米国心臓血管外科医、というと失礼になる(?)ので、YouTuberの北原先生の著書「留学医師LIVE」(メジカルビュー社)です!(メディカルではなくメジカルなところは、名古屋駅前の大名古屋ビルヂングを彷彿とさせる)
本著は(研究留学ではなく)臨床留学をテーマとしており、そんな臨床留学に関する情報をただ連ねるのではなく、全てが体験談によって構成されているのが特徴的です。そんな高名な北原先生に「そちにもUSMLEの記事を書くチャンスを与えてやらふ」ともったいなきお言葉を頂き、大変恐縮ながら記事を1つ持たせて頂きました。
また本著は医師・小説家の中山裕次郎先生(ライブ配信ではお世話になりました)に企画協力をして頂いております。北原先生と中山先生のインタビューの中で、当初中山先生は北原先生のことを「ビジネスもてたい人」だと思っていたら、本当に「ただのもてたい人」だったと気づいて驚愕するというシーンがあります。いや、本当に北原先生のことをそのまま表現しているシーンでした。(笑)
そして、一見すればすぐに分かりますが、編集者の技術が高いです。(もちろん医学書院の編集者もぴか一です)カラーをふんだんに使い、構成も読者を飽きないように工夫されています。このような斬新的なテーマを担当して頂ける編集者や出版社って本当に多くないので、これを実現しただけでも物凄いパワーだなと感じます。(安くない?)
臨床留学の③STEP
本著の特徴を説明する前に、臨床留学にまつわる出版業界の話をしましょう。ご存知かもしれませんが、臨床留学に関係する本は極めて少なく片手で数えるほどしかありませんでした。しかも、情報が古くなりやすく、それこそ「LIVE」で情報を得るのは極めて困難でした。つまり、臨床留学に至るまでの道筋が非常に不明瞭だったのです。
今回改めてその道筋を単純化してみましたが、①USMLE➡②マッチング➡③米国でのキャリア形成となります。①は拙著「セザ本」にてうるさいほど詳しく解説しましたが、②と③はセザキング自身が経験していないため記述できていませんでした。そして今回の本(なんて呼ぼうかな・・・「北本」で良いか)は②と③を主なテーマとしています。そんな中、僕も①の要素を担う形で参加させて頂いたということになります。従って、「セザ本」と「北本」があれば臨床留学までの道がコンプリート!!!ということになります。ぱちぱちぱち。あえて言うなら、②はもっと掘り下げることができるのですが、これはさらにニッチな情報になってくるので本のテーマとして弱いと思います。いずれにせよ、これにて道が整ったということです。
↓1番センター「セザ本」
「北本」の特徴①~ロールモデルが見つかる~
さて、本記事では「北本」の特徴についてお話したいと思います。最初に結論から述べると、「臨床留学に興味があるならまず一冊」の本と言えます。先に①USMLE➡②マッチング➡③米国でのキャリア形成の順番があるとお伝えしましたが、多くの方は臨床留学への興味があってUSMLEの勉強を始めるはずです。もちろん、僕のようにUSMLEから入る人も一定数います。
↓USMLEを勉強する意義を知りたい人にはこの動画がオススメ!
もし先の順番に⓪を追加するとすれば、⓪臨床留学(またはUSMLE)への興味➡①・・・となるはずです。⓪を言い換えるとすれば、「ロールモデルを見つけること」です。キャリア形成において、ロールモデルの存在は死活的に大事となります。「こうなりたい」と思える存在は物凄い希望と勇気を与えてくれます。そんなモデルに成り得る先生方に「北本」では多く出会うことができます。臨床留学に興味がありつつも、最初から明確なビジョンを持っているのでなければ(それでも有益ですが)まず手にとってみる1冊だと思います。また本著には、留学されている医師の哲学などのようなものが沢山散りばめられています。「○○」と聞いてくる人は留学には向いていない、のような耳が痛い話もあり、臨床留学を叶えるためのマインドセットも得ることができるのも特徴と言えましょう。
「北本」の特徴②~激レアさんのデータが豊富~
1つ目の特徴は「ロールモデルが見つかる」でしたが、他にはどんな特徴があるのでしょうか。2つ目は「前例になくデータが豊富」となります。復習になりますが、果たして毎年どれくらいの日本人が臨床留学をするのでしょうか。留学者数に関する正確なデータはありませんが、数年まで発表されていたECFMGのデータのよると日本人の年間のECFMG取得数は50~80人でした。その内の全員が留学をするわけではないので、留学者数はこれよりもさらに少なくなります。そう、激レアなのです。そんな激レアな人達をなんと100人も集め、様々なデータを回収しております。
今回、僕が担当したUSMLEの記事もそのデータを分析したものとなっています。詳しくは本著を見て頂ければと思いますが、特に印象的だったデータは「USMLEの勉強が臨床で役に立ったか」という質問に9割以上の先生がYesと答えていたことです。僕は以前よりUSMLEの勉強は臨床で応用できると主張してきました。実際に多くの方に賛同して頂いていましたが、このように臨床留学をされている先生の大半が同意見ということを再確認できてほっとしております(ちなみにK先生は「何も覚えていない。みんなそうでしょ。」と言ってました)。USMLE以外にも様々なデータ(お金とか)が盛りだくさんであり、留学というものを現実的に検討することができるようになるでしょう。
「北本」の特徴③~宇宙人北原~
最後の特徴は、臨床留学という本著の凄みのあるテーマに比して、「雰囲気や論調がとにかくゆるい」ことでしょう。これは北原先生(多分宇宙人)にしか表現することのできないと思っています。何が凄いかって、本当に「何も知らない初心者みたいに」色々な先生とやり取りをしているところです。そこに北原先生自身のエゴみたいなものが一切挟まれていない。いや、驚くことに本当に「知らない」んですよ。多分。米国心臓血管外科医なのに、信じられますか?でも、この「無」であることが超重要なキーワードだと思うんです。
皆さんは松下幸之助氏をご存知でしょうか。そう、Panasonicの前身である松下電機の創始者です。数多のエピソードを持つ伝説的な存在ですが、僕は北原先生を見て松下氏と重ね合わせてしまったのです(ほめてませんよ)。
ある時、松下氏は成功の秘訣を聞かれてこう答えました。「私には3つの財産がある。それは学校に行かなかったこと、健康に優れなかったこと、貧乏だったことだ。だから、人が教えてくれたり、助けてくれたりして成功した」(諸説あるので少し改変してます)。この「人が教えてくれたり、助けてくれる」ってまさに「北本」のことではないかと思ったのです。100人(しかも凄い方々)に助けてもらうことって並大抵ではありません(ほめてないです)。先にも述べたようにこの本には「いい意味で」北原先生自身の主義・主張があまり感じられない。あくまでも参加して頂いている100人を立たせるポジションに徹している。そこに本著のプレゼンスの高さを感じています。このことを先日のYouTubeライブでもお伝えしようとしたところ、北原先生は松下氏に対してすら「無」を貫き、話もひろがらずにグダグダになりました(泣きそう)。ちなみに、心理士(カウンセリングとかする人ね)にとっても「個性がない」ってことが非常に重要なんです。クライアントを引き立たせるには自分の存在が強くてはならない。「あぁ、この人はそういう天性のものを持ってるんだな」と思って眺めていました。YouTubeでも愛され力は半端ないですしね。(一度もほめてません)
まとめ
以上のように今回は「留学医師LIVE(北本)」の紹介をしました。USMLEに興味ある人はとにかく読んでみることをお勧めです。また前記事の続きにもなりますが、キャリアに悩む人にも響くものがあるんじゃないでしょうか。「ニューヨークかっこいいから留学したい」でも良いんですよ。一度キリの人生、後悔しないように生きたいものです。
それではまた。しーや。
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