質問コーナー㉘~CBTで落ち込んでいます。どうしたら楽になれますか?~

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質問:本文

さて、久々の質問コーナー。
なんとなく過去の自分を見ているような気にもなり、今回ブログで回答することにしました。まずは質問文をご覧ください。

うむ。見事な拗らせである。しかし、拗らせてはいるものの、自己を客観的に見ようとしているところは非常に好感が持てる。

この質問者の言いたいことを要約すると「CBTの結果を受け入れることができずに落ち込んでいる。自分はもっとできる人間だったはずだ。どうしたら楽になれるのか。」こんな感じでしょうか。

返答

お答えしていきましょう。
まず気になるのは、「何でこんなに落ち込んでいるのか?」、ということだ。成績自体は悪くないのだ。でも落ち込んでいるのはなぜか。CBTは「医学生が実習前に最低限の知識を持ってるか確認するテスト」だ。へこむことはなかろう。

その理由は、「自分は勉強ができる人間」「周りよりも頭が良い」等という優越感、それと同時に劣等感を強く持っていたからではないだろうか。これは医学生にありがちだが、大学受験の偏差値主義を大学に入っても持ち越してしまっているのだ。つまり、「偏差値が高い人=偉い、成功者」みたいな発想が抜けきれずにいる。まさに拗らせである。質問文にもあるが質問者は「周囲に対して傲慢にふるまっていた」ようだ。

人と比較する生き方ではいつまでも幸せにはなれない

確かに在学中はある程度学業成績がヒエラルキーを形成する面はある。しかし、一度社会に出てみるとそんなものは全く役に立たないことに気が付く。前から何度も言ってるけど、卒後にあなたのCBTや国家試験の成績を気にする人など誰一人もいないのだ。(大学名を気にする人多いけど。)まじで、誰もいないし、もし仮に気にする奴がいたら、やばい奴なのでスルーです。

このような価値観は特に地方の大学にありがちだと思う。というのも、結局価値観が狭いということだ。本来、人の魅力は学業だけで決まるわけがない。人間性、教養、特技、運動能力等と様々な要素を総合的に評価されるべきなのだが、地方の進学校➡地方医学部のような地方の成功ルートを辿ると、どうしても自然とエリート感が身に付き、「偏差値が高いものは偉い」みたいな考えを持つようになる。

確かに大学受験における偏差値は不思議なほど人生に大きな影響を与える。それは否定しない。偏差値が高い大学ほど、その後の人生の選択の幅を拡げてくれることは間違いないだろう。しかし、それがずっと続くわけでもないのだ。

日本の大学受験においては確かに偏差値は今後の人生に大きな影響を与える

価値観の狭い人が多い世界では、どうしても「CBT上位=偉い」みたいな構図が出来上がりやすいが、はっきり言って僕的には超滑稽である。敢えて強めの言い方をしておく。

というのも、CBT自体がそれほどレベルの高い試験ではない(USMLEやれば分かるが明らかに劣化版なのだ。悲しいけどこれが現実。)ことが前提にあるため、どれだけ勉強しても伸びしろには限界があり、かつCBTで上位であったとしてもその後の人生に与える影響は極小である。実際に「CBTのおかげで人生うまく行きました!」なんて人は一度も聞いたことがない。明言しておくが、CBT95%取るより、STEP1のギリギリで合格する方が全然有意義だし、得られる知識量も段違いで、かつ今後の人生の可能性をめちゃくちゃ広げてくれる。これはやった人にしかわからない感覚だろうが、「CBT9割なのにSTEP1全然解けません!」みたいな声がよく聞こえてくるのは当然のことだと思っている。

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ということで、この質問者の問題点の一つは「本人の価値観の狭さと環境の影響」と言える。学業以外に誇れるものがあれば、例え少し成績が悪くてもここまで落ち込まないはずだ。まずは、「ひじょーーーーーに狭い価値観を持っている」自分に気付くことが大事。社会(特に都内)に出て、「CBTが~」とか言ってるとまじで痛いやつなので、そこは注意。

そしてもう一つの問題点は、恐らく「挫折体験の欠如」だろう。挫折を乗り越えたことがある人の強さは、「つらい体験を乗り越えると強くなれる」という体験をしているため、今後大変なことがあってもそれをエネルギーに変えようとすることができることである。そして、人の辛さを理解できるようになる。先にも述べたが、質問者は周囲の人間に傲慢にふるまっていたようだ。それはそういう態度をされた人間の気持ちが理解できなかったからである。もし、今自分より成績がいい人に同じような態度をされたらどんな気持ちになるか想像してほしい。相当辛いはずだ。そういう負の感情を経験することも謙虚になるためには必要なことなのだ。

これは僕も同じ経験をしているから言えることである。2浪時代、小さな予備校の中においては成績が良かった。完全なお山の大将なのだが、振り返ると相当傲慢に振る舞っていたと反省している。成績が伸びたと喜んでいる人に対して「まだ平均点くらいだよね」とか水を差したことすらある。なんと愚かだったのか。

そして僕もCBTでは辛い思いをした。結果は5位なので傍から見ると悪くはないのだが、自分的には最悪だった。何が辛いかって「自分は大した人間でないこと」を認めないといけなかったことだ。絶対に一番努力してきたという自負があったため、5位というおしくもない成績を見たときに「お前の才能なんてそんなもんだ」という事実を突きつけられた気がした。これを受け入れることが出来る人が意外と少ない気がする。人はいつまでも「特別な人間」でありたいと思うものなのだ。

ブログを読んでいる人は御存知だろうが、そんな落ち込んでいる時に北中先生から来たメールで人生は変わった。

「5位おめでとう。山大で5位なら全国どこにいっても優秀だと思います。1位を取っていたら慢心してしまったかもしれない。むしろ取れなくてよかった。その悔しさをUSMLEにぶつけてください。日本人しか知らないCBTではなく、世界が認めるUSMLEでハイスコアをとってください。」

このメールに心を打たれて受験を決意した。報いなければならない、そして成功して自信を持ちたい。そんな一心だった。過去を振り返ると、僕にとって全ての挫折は今に繋がっていると言える。

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だから、僕も質問者にあえて言おう。

「CBTでの優秀な成績おめでとう。君は十分に優秀だと思います。それこそ良い成績だったら慢心してしまいこれまで通り周囲に傲慢な態度を取り続け、人から信用が得られない人生になっていたかもしれません。危なかった。今後は、その悔しさを別のことにぶつけてください。僕はUSMLEをお勧めしますが、本気になれるものなら他に何でもいいです。USMLEに合格すれば医学英語が身に付くだけでなく、その英語力がアピールポイントとなり都内への就職も有利になりますし、将来留学できる可能性もあります。そして、時間が経てばつらい記憶は薄らいでいきます。しかし、ただの辛い経験だけで終わらせず、その悔しさをエネルギーに変えてください」

以上です。しーや。

 

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