質問コーナー⑬~どうしたら採用されますか?〜

質問コーナー

質問の続きまいります。しかし前回の質問は非常に答えにくかった。

内部事情は話せないけど、志望動機を問われると一般論だけでは語りつくせない難しさがあります。

では。前回の記事はこちらから。

初めてコメントを投稿させていただきます。
地方大学医学部5年生の田中(仮名)です。
私も海外で医師として働くことに興味があり、瀬嵜先生のブログやmedilinkの講座をよく拝見しています。

それとは別に自分の進む診療科についてですが、瀬嵜先生と同じく精神科に興味があります。今回はUSMLEではなく後期研修について質問なのですが、

質問①:瀬嵜先生は亀田総合病院で後期研修を行われたそうですがなぜ亀田総合病院を選ばれたのでしょうか?

また、私は卒後関東の病院で初期研修、その後は大学医局に属さず都内の市中病院にて後期研修を行いたいと思っています。精神科に限れば関東の市中病院でも専門プログラムがそこそこありますが、他の(いわゆる)マイナー系だとプログラム数がもっと少なくなるうえ募集人数も各プログラム2,3人といったところです。

質問②:やはり大学病院以外でマイナー科の専門医を目指すのは狭き門だと思いますが、学生のうちから後期研修を見据えた見学など病院側に顔を売っておくことは必要だと思いますか?

USMLEの質問でないうえ長文になって申し訳ありませんが、回答していただけたらうれしいです。よろしくお願いします。

 

➡質問②への回答

質問②:市中病院ではマイナー科の後期研修プログラムの定員が少ないため、採用されるためには何をすべきか

ということでしょうか?

質問に答えるためにはよくわからないことがいくつかあるので整理してみます。

・精神科以外のマイナー科も考えているということなのか

・果たして市中のマイナー科はそれほど狭き門なのか

・なぜ関東の病院➡都内の市中病院の進路を希望しているのか

というわけで上記の不明点を僕が勝手に整理した上で質問を置き換えてみます。

質問②を整理して置き換えてみる

質問②改:精神科以外にマイナー科も進路先として考えており、都会への憧れと、留学のチャンスの多さから関東の市中病院を研修病院の候補先として考えております。関東内でもなるべく都内が理想的です。自由度が低い大学病院にはあまり興味がありません。しかし、都内市中病院のマイナー科は後期研修の定員が少なく競合だと聞きます。もし今後そのような競合のプログラムを志望する際に、少しでもマッチ率を高めるために今やれるべきことはなんでしょうか。

と勝手に変えてみました。(文章の感じから、田中さんは8割の確率で女性であり、都内または関東出身だが現在は地方医学部に通っており、卒後は戻ってきたいと考えている。しかし、「田舎では情報が少なく、どうやら関東の病院に残るのは難しいとも聞く。しかし私はどうしても関東で過ごしたい。どうしたらいいんだろう。自由度の高いマイナー系に興味があるな。」ということを考えて悩んでいるという設定にしました。笑)

僕の答えは「誰が採用権を握っているかによって変わる」でしょうか。研修病院の人事には様々な役職の人が関係します。院長が決める場合もあり、若い医者が採点をする場合もあります。それは病院によって様々です。そのため何度も病院に足を運んだとしても、採用者と一切顔を合わせなければ十分なアピールはできないわけです。ここで採用パターンを3つに分類してみましょう。

採用パターンの分類

①試験一発勝負の場合

②院長などの幹部が決める場合

③見学の際に既に採点されている場合

です。

①試験一発勝負の場合

まず議論しやすい①から。①の場合は見学はあまり効果ありません。これは僕が証明しています。当時の超人気病院だった国立国際に見学にいかずにマッチしたわけですから、何度も見学する意味はなかったでしょう。他にもペーパー一発勝負の病院もあると聞きます。この場合の戦略は何が何でも過去問を入手して準備することです。もし当日の面接官に志望科の先生がいるならもちろん見学にはいくべきです。ケースバイケース。

②院長などの幹部が決める場合

では②はどうか。これは微妙なところですが、見学にいくべきです。志望科の先生が同席する可能性が高いので見学していい印象を与えていれば加点になるでしょう。しかし③ほどは効果ないかもしれません。現場には縁遠い幹部が採用を決める場合には戦略を少し変えるべきです。これに関して言及するか少し悩みましたが、そっと教えます。この場合はビジネスの観点から考えるべきです。病院経営は医療とはいえこれもビジネスの一種です。運営していくには当然お金が必要です。そして幹部は受験者に対して強い思い入れなどありません。一緒に働かないわけですから。なので非常にビジネスライクになると予想されます。そこでどのような人を採用したいか、それは「一生懸命働いて、サービス残業を「修行」だと言って喜ぶ()喜んでいるふりをする)人」です。つまり、安い給料に文句を言わずに働いてくれる人です。極端に才能があったり、夢を語る人などいりません。むしろリスクになるからです。もし採用されたいのであればそのようなものは隠し、「後期研修は修行の場と思い全ての力を注いで自己研鑽したいと思います。」と一点の曇りもなく言い放つことでしょう。そして、その場合には長期的に働いてくれることを臨む場合が多いので、言わずともここでずっと働きたいですアピールができるとベターです。

③見学の際に既に採点されている場合

最後の③はもう言及するまでもなく見学にいって猛烈にアピールすべきです。あらゆる手をつかって相手を魅了しましょう。笑 やり方は相手次第なのでなんとも言えませんが。

さて、上記を踏まえるとどういう戦略を取るべきか、事前に興味のある病院の情報を仕入れようとし、もしネット上では十分な情報が得られない場合には実際に足を運び、どのような採用基準を設けているのか聞きだす。それを把握した上で上記プランを実行する。でしょうか。

もし初期研修から同じ病院にいるのであれば後期研修の採用チャンスはもちろん上がります。しかし一方でその人となりが分かりすぎてしまうため、初期研修中に不採用が決定する場合もあります。

さてこんな感じです。

僕の面接へのスタンスとしては、自分を一切偽ることなくそのままをアピールして、それでOKならよし、NGならそれもまたよし、という感じです。相手に対して一切迎合しないので面接ではホームランも三振もするわけなんですが。w

良し!今日は少しリップサービスしました。よい週末を。しーや。

コメント

  1. 田中(仮名) より:

    瀬嵜先生、非常に丁寧な回答ありがとうございます。
    先生のキャリアの一部、そして病院採用について詳しく知ることができました。

    文章でも非常に詳しくわかりやすく伝えてくださっていますが、やはり先生の仰るとおり、実際にお会いして聞いてみないと分からないところもあるように思うので、まずは講演会に足を運んでみようと思いました。
    もしお話しするタイミングがあれば、そのときはどうぞよろしくお願いします。

    先生にお会いできるのを楽しみにしています。

    P.S. 私は男です(笑)

    • Dr.瀬嵜 yodo80 より:

      (はっ!間違えた)

      是非、講演会まで来てください。ブログの内容の何倍も話せることがあります。
      これからも各地で開催予定ですし、もし希望があれば田中さんの大学にもまいりますのでご気軽に相談してくださいね。

  2. 田中(仮名) より:

    ありがとうございます!

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