USMLE概要②~スコアの見方~

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ハイ!ナイストゥミ―チューDr瀬嵜です!今回はUSMLEの概要としてスコアの見方について説明していきます。USMLEのスコアって「230とらなきゃ」とか「250取りたい!」って聞いたことあるかもしれませんが、

そもそも、何点満点やねん!」ってつっこみたくなりませんか?

そうなんです。USMLEのスコアってかなり独自のもので他のテストとは比較しがたいものです。

そもそもスコアはどう見る?

・スコアの見方

・日本の国家試験との違い

・目標スコア

の三部で構成していきます。

・スコアの見方

ここではSTEP1を例にとって参考にスコアについて述べていきます。まずは以下のグラフをご覧ください。

Figure1 USMLE step1 score の推定の分布 

Tao Le andVikas Bhushan, First Aid for the ®USMLE Step12017:A Student-to-Student Gide, (McGraw-Hill Education, 2017), p.9 

このようにUSMLEのスコアは3-digitで表示されます。公式発表ではスコアは1-300で表示されるとのことですが、実際にスコアが100を切ったり300だったりすることは(ほぼ)無く、殆どの受験生のスコアは140-260のレンジに収まります。

以前はスコアが2-digit scoreと3-digit scoreの2つの指標で表されていましたが、2018年9月現在では3-digit scoreのみの表記に変更されました。

当時は2-digit scoreで99を取ることが世界中の受験生の1つの目標(僕もこれを目標にしていた。年配の先生は2-digitのほうに馴染みがあるため99というスコアに敏感。)になっていましたが、現在では3-digit scoreのみの表記になってしまったため、目標スコアに関しても状況は変わってしまいました。

実際に詳しいスコアの付け方については一切公表されておらず、スコアレポートに表記されるスコアは恐らく偏差値のような相対評価により決定されるものだと推察されます。

その理由を説明します。当然のことですが、問題毎に難易度が異なりますし、受験者によって解く問題も毎回異なります。多数の受験生の情報から判明していることですが、多数のブロックが準備されており、それが受験生にそれぞれランダムに割り振られます。ブロック内の問題は常に同一であるため、偶然にも違う受験生がある同一のブロックに遭遇した場合にはそのブロック内の問題は全て一致するということです。

そして、前ブロックの正答率によって次のブロックの難易度が決定されていると考察しています。現実に280台を取っている人がいる一方で、模試で90%程度の正答率をとっても250程度にしか満たないことを考えると、仮に同じような難易度の問題を全員が解いているとした場合、280のようなハイスコアは存在しえないのではないかと思います。

実際に米国の看護師試験であるNCLEXでは、途中経過の正答率によって出題される問題が変化するとのことです。公表はされていませんが、USMLEでも同様の形式が取られている可能性は高いと思います。また、中には採点されない問題もあると聞いたことがありますがこれも詳細は不明です。採点されない問題は試験的に受験生に問題を解かせて、採用するに足る問題かどうかを見ているものと思われます。 

これも推察にしか過ぎませんが、194を取るためには正答率60-65%、230-250を取るためには正答率80-90%くらい必要だと考えています。根拠としては模試では上記のような結果となり、また模試と本番は相関しやすいと言われているからです。

公式サイトが発表しているデータ(http://www.usmle.org/data-research/)によると2017年時点での受験者全体の合格率は85%です。アメリカ・カナダの学校の出身者は合格率が94%と高いのですが、日本人を含めたアメリカ・カナダ以外の学校の出身者(IMGのことですよ。)の合格率は72%と低いです。海外には英語を第二母国語とするようなインド人を代表として、かなり多くの優秀な受験生がいること考えると、日本の合格率は72%より低いと考えるのが妥当でしょう。(個人的には、50%~60%ではないかと思っています。)

受験料が1360ドルと非常に高額であり、受験にかける労力も相当なものであることを考慮すると記念受験をする人は少ないと考えられることに加えて、日本の医学部生の中でも上位層が受けているのだろうと推察されます。それでいてこのような低い合格率に留まっているということは、日本人にとっては合格するだけでもある程度のステータスになるのではないでしょうか。 

 

・日本の国家試験との違い

日本の国家試験との違いは、USMLEでは「スコアが大事」になるということです。これが最大の違いです。日本の国家試験では各大学の合格率のみが話題となり、各人の点数が話題になることはまずありません。卒業してから「お前国家試験何点だった?」と聞かれることはまずありません。

しかしUSMLEではスコアが死活的に大事になります。何故なら、人気のある病院やプログラムにマッチするためにはハイスコアが必要となるからです。

日本のように自由に科を選択することはできないのです。そのため一部の科に優秀な人が集まる傾向があります。人気の科は一般的に報酬が高く、時間の余裕もある傾向があります。

アメリカは競争社会であり、医師としての競争はUSMLEから既に始まっているのです。

・目標スコア

最近(2018年9月現在)では合格最低スコアが194となっており、スコアのインフレーションが顕著になってきています。毎年平均スコアが3~5くらい伸びている印象で、STEP1の平均スコアも230くらいまで伸びてきているようです。そのため、過去の230と現在の230を単純比較できるのかという疑問が湧きますが、マッチングにおいては同じ230とみなされるようです。

2-digit scoreがあった頃は世界中に皆が99を目標にしており、99取得者は99ersと崇められていました。

現在はマッチングで足切りラインとして230を最低目標として掲げられている人が多い印象を受けます。もし目標設定に迷った場合には230を目標とされてはいかがでしょうか。

また一般的に250を超えると世界中からハイスコアと認識されると思われます。その為スコアで少しでも有利になりたい方は250を目標とするのも一つです。

目標スコアに関して一つアドバイスをさせて頂きますが、受験生の相談に乗っているとハイスコアをあまりに意識しすぎて受験に踏み込めない方が多いようにも思われます。ハイスコアであったほうがマッチングに有利であることは否めませんが、ハイスコアを取得しても臨床留学は保証されないことも事実です。マッチングにはスコア以外にも推薦書などが重要な要素となります。また場合によってスコアは一切求められず、合格さえすればいいこともあります。

臨床留学においてUSMLEのスコアはファクターの1つでしかありません。ハイスコアに執着していつまでも準備している方もおられるでしょう。個人的には慎重に準備をしたら大胆に受験することをお勧めします。 

 

こんな感じになります。

まとめると

USMLEは三桁スコアで表示され、そのスコアによって選択できるプログラムが異なる。STEP1は194を超えると合格できるが、230や250を目標としている人が多い。

以上となります。また疑問がある方は何でも聞いてください!シーヤ!!

その③:何のために勉強するかって?こちらから!

コメント

  1. […] その②:スコアの見方はここから。 […]

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